電子部品大手のオムロンが国内外で2千名の人員削減に踏み切る。中国経済の成長鈍化やサプライチェーン(供給網)の混乱など、事業環境が想定以上に悪化。大幅な業績悪化となり、収益・成長基盤の再構築に取り組むことになった。
過去10年、これまでオムロンの成長を支えたのは、制御機器事業とヘルスケア事業。中国エリアを中心に、成長が著しい半導体や二次電池の大手顧客の需要をとらえてきた。しかし、足元の中国経済減速が直撃。急激な市場変化に対応できなかった。
社長の辻永順太氏は「現在の制御機器事業は、中国市場の投資需要に依存している状況」との認識を示した上で、「今後、変化の激しい事業への耐性を強化するために、特定業界や特定エリアに依存しない事業構造の構築に向けたアクションを加速していく」と話す。
オムロンは2月5日に、通期(2024年3月期)連結業績予想を下方修正。売上高は従来見通しの8500億円から8100億円(前年同期比7.5%減)に、営業利益は450億円から240億円(同76.2%減)、当期純利益は180億円から15億円(同98%減)に下方修正していた。
同社では今年4月から2025年9月までを「業績の立て直し」と「収益・成長基盤の再構築」に集中する期間に設定。勤続年数3年以上で40歳以上の社員を対象に、国内約1千名、海外約1千名の合計2千名を削減。国内の1千名は国内従業員の約1割に相当する数で、2025年度に23年度(見通し)に比べて約300億円の固定費削減を見込んでいる。
電子部品業界では足元の中国減速が業績を直撃。FA(ファクトリーオートメーション)機器やスマートフォン向けの部品が伸び悩み、EV(電気自動車)市場では早くも価格競争が激化しており採算が悪化。今期は村田製作所や京セラ、ロームが相次ぎ減益の予想。ニデック(旧日本電産)は業績を下方修正したものの、純利益は前年比約3倍と同社の奮闘ぶりが目立つ。
京都企業に明暗が出る中で、今後、各社は中国のみに依存しない体制をどう構築し、新たな成長事業のタネをどう見つけていくか。
翁百合・日本総合研究所理事長「企業は、企業価値向上と社会課題解決の『二兎を追う』成長戦略の実行を」
過去10年、これまでオムロンの成長を支えたのは、制御機器事業とヘルスケア事業。中国エリアを中心に、成長が著しい半導体や二次電池の大手顧客の需要をとらえてきた。しかし、足元の中国経済減速が直撃。急激な市場変化に対応できなかった。
社長の辻永順太氏は「現在の制御機器事業は、中国市場の投資需要に依存している状況」との認識を示した上で、「今後、変化の激しい事業への耐性を強化するために、特定業界や特定エリアに依存しない事業構造の構築に向けたアクションを加速していく」と話す。
オムロンは2月5日に、通期(2024年3月期)連結業績予想を下方修正。売上高は従来見通しの8500億円から8100億円(前年同期比7.5%減)に、営業利益は450億円から240億円(同76.2%減)、当期純利益は180億円から15億円(同98%減)に下方修正していた。
同社では今年4月から2025年9月までを「業績の立て直し」と「収益・成長基盤の再構築」に集中する期間に設定。勤続年数3年以上で40歳以上の社員を対象に、国内約1千名、海外約1千名の合計2千名を削減。国内の1千名は国内従業員の約1割に相当する数で、2025年度に23年度(見通し)に比べて約300億円の固定費削減を見込んでいる。
電子部品業界では足元の中国減速が業績を直撃。FA(ファクトリーオートメーション)機器やスマートフォン向けの部品が伸び悩み、EV(電気自動車)市場では早くも価格競争が激化しており採算が悪化。今期は村田製作所や京セラ、ロームが相次ぎ減益の予想。ニデック(旧日本電産)は業績を下方修正したものの、純利益は前年比約3倍と同社の奮闘ぶりが目立つ。
京都企業に明暗が出る中で、今後、各社は中国のみに依存しない体制をどう構築し、新たな成長事業のタネをどう見つけていくか。
翁百合・日本総合研究所理事長「企業は、企業価値向上と社会課題解決の『二兎を追う』成長戦略の実行を」