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木村弘毅・MIXI社長CEO「われわれはコミュニケーション屋。世界に向けてコミュニケーションサービスを届けていく」

財界オンライン 2024年4月17日 15時0分

悲喜こもごもの波はあったが、会社設立から25年間、何とかやってくることが出来たというのが素直な感想だ。

 一時は社内がグラグラ揺れた時期もあった。ソーシャルネットワークのソーシャルには二つ意味があり、一つは〝社会的な〟、もう一つは〝社交の〟。われわれが狙うのは社交のためのツールだと。主力のSNSが落ち込んで不安が増していった時に、やはり、自分たちは社交のサービスだと考えた。それが『モンスト』だった。

『モンスト』は友達4人で遊ぶことができるゲームだが、当初は友達と遊ぶようなサービスは流行らないと言われていた。

 今までのオンライン上のゲームは、友達ではなく、見ず知らずの知らない人たちと対戦したりするゲームばかりで、両方に武器を売って課金するというビジネスモデルが主流。わずか4人が集まって遊ぶようなサービスでは、マネタイズ(収益化)が伸びるはずないと言われていた。

 しかし、われわれは小さいネットワークほど重要だと考えていた。知らない人たちにネット上で問いかけても、必ずしも反応は返ってこないが、知り合いならリアクションが沢山返ってくる。友達から友達、その先の友達へと倍々ゲームで輪が広がっていく。これはSNSでも起こっている特徴で、少ない人数に絞れば絞るほど、バイラル(拡散)が起こるものだ。

 やはり、人は友達と集まる理由を求めている。カラオケに行くのでも、食事をしに行くのでもいいが、人は皆つながる動機を求めている。それまでのモバイルゲームは一人で遊ぶためのゲームばかりで、われわれは社交のツールとしてゲームを提供しようと。それが当たったのだと思う。

 基本的に、ゲームはリリースしてからピークは5年ぐらいで、コンテンツに飽きが来るとそこから落ち込んでいく。しかし、『モンスト』だけは変わっていない。われわれはゲームというよりも、社交の場を提供しているので、アニメをつくったり、リアルのイベントを開催したり、皆が盛り上がる話題を提供し続けている。キャラクターに感情移入してもらうためのストーリーが大事だと思う。

 われわれはコミュニケーション屋であり、コミュニケーションの機会や場所を提供することがミッションだ。

 今後は社会的にも、コミュニケーションがより重要なキーワードになってくる。AI(人工知能)などのテクノロジーが発達していく中で、より分断が起こってくると思う。その中で、いかに豊かなコミュニケーションを届けていけるかが当社のテーマなので、世界に向けてコミュニケーションサービスを届けていきたい。

【2024年をどう占う?】答える人 GMOインターネットグループ代表・熊谷正寿

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