「車載事業においては、冷静かつ大胆に必要な構造改革に取り組んできた。当社の〝第2創業〟に向かって、大きく舵を切っていく」。こう語るのは4月からニデック社長CEO(最高経営責任者)に就任した岸田光哉氏。
ニデックが24年3月期の連結業績を発表。売上高2兆3482億円(前年同期比4.7%増)、純利益1253億円(同約3倍)と増収増益。売上高は過去最高、純利益も最高益(22年3月期の1368億円)に近い水準となった。
一方、近年、注力するEV(電気自動車)トラクションモーターなどの車載事業は、赤字が続く。特に中国市場で価格競争が激化していることから、598億円の構造改革費用を計上。昨秋から戦略を転換し、収益性を最優先する体制に変えた。
グローバルグループ代表の永守重信氏は「われわれが赤字を出し、競争相手が利益を出しているのであればわれわれの問題。しかし、お客さんも赤字、競争相手も赤字、誰も儲かっていないというのでは健全な競争とは言えない」と指摘。
その上で「技術は負けていない。それでも利益が出ないのであれば一旦休むと。そのマーケットが価格勝負でいくのか、性能で行くのか見極めないといけない。中国は値段ばかり。分かってもらえるところだけを相手にする」と語り、中国重視の戦略から、欧州や日本を強化する戦略へ転換するとした。
現在は脱炭素化に向け、世界中でEVの開発競争が過熱している一方で、中国の安値攻勢についていけない企業が増加。米テスラは中国市場での価格下落が響き、24年1―3月期決算は減収減益。米アップルはEVの開発から撤退した。
また、今秋の米大統領選で、環境問題を軽視するきらいがあるトランプ前大統領が返り咲けば、「EV開発の勢いは衰える」(自動車大手)との見方もある。そうした中、大胆な戦略変更に打って出たニデック。永守氏の経営判断は吉と出るか。
日産とホンダがEVで協業検討開始 米中の新興勢への危機感が引き金
ニデックが24年3月期の連結業績を発表。売上高2兆3482億円(前年同期比4.7%増)、純利益1253億円(同約3倍)と増収増益。売上高は過去最高、純利益も最高益(22年3月期の1368億円)に近い水準となった。
一方、近年、注力するEV(電気自動車)トラクションモーターなどの車載事業は、赤字が続く。特に中国市場で価格競争が激化していることから、598億円の構造改革費用を計上。昨秋から戦略を転換し、収益性を最優先する体制に変えた。
グローバルグループ代表の永守重信氏は「われわれが赤字を出し、競争相手が利益を出しているのであればわれわれの問題。しかし、お客さんも赤字、競争相手も赤字、誰も儲かっていないというのでは健全な競争とは言えない」と指摘。
その上で「技術は負けていない。それでも利益が出ないのであれば一旦休むと。そのマーケットが価格勝負でいくのか、性能で行くのか見極めないといけない。中国は値段ばかり。分かってもらえるところだけを相手にする」と語り、中国重視の戦略から、欧州や日本を強化する戦略へ転換するとした。
現在は脱炭素化に向け、世界中でEVの開発競争が過熱している一方で、中国の安値攻勢についていけない企業が増加。米テスラは中国市場での価格下落が響き、24年1―3月期決算は減収減益。米アップルはEVの開発から撤退した。
また、今秋の米大統領選で、環境問題を軽視するきらいがあるトランプ前大統領が返り咲けば、「EV開発の勢いは衰える」(自動車大手)との見方もある。そうした中、大胆な戦略変更に打って出たニデック。永守氏の経営判断は吉と出るか。
日産とホンダがEVで協業検討開始 米中の新興勢への危機感が引き金