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アデコ社長・平野健二「「人財サービス」のリーディングカンパニーとして、日本の人手不足解消に貢献していく」

財界オンライン 2024年10月4日 18時0分

デジタル時代の「リスキリング支援」も

 当社は世界60の国・地域で事業を展開する「人財サービス」のグローバルにおけるリーディングカンパニーの1社・アデコグループの日本法人です。

 今、日本では全産業的に人手不足状態にあります。我々のような「人」に関わる業界も、従来通りのやり方だけでは厳しいと感じており、何かしら会社としての付加価値を求職者に提供できないと選んでいただけません。

 一方で、世の中でこれだけ多くの方々が「人」に関する課題を持っているのであれば、やり方次第でビジネスオポチュニティは大きいとも感じています。

 コロナ禍後に、インバウンド(訪日外国人観光客)、アウトバウンド(海外日本人旅行者)が増加しましたが、コロナ中にホテル・観光業界から人が離れて戻ってきていないことで人手不足が起きている面があります。

 また、リモートワークの普及で、この働き方に慣れた働き手が増えたこともあり、オフィスで仕事する職種に人が戻っていないという傾向が顕著です。

 アデコグループのパーパスは「Making the future work for everyone.」、日本のアデコでは「『人財躍動化』を通じて、社会を変える。」をビジョンに掲げています。事業活動を通じて、社会に良いインパクトを与えていきたいと考えているのです。

 そのためにも、我々を通して仕事をしている方々、お客様である企業の従業員の方々、当社の従業員も含めてすべての働き手が躍動し、楽しくいきいきと仕事ができる環境を提供するとともに、その環境に適した人財をつないでいくことが大事です。

 そこに向けて当社は、経済産業省の「リスキリングを通じたキャリア支援事業」の採択事業者として全国的に展開している他、「Adecco Academy」でデジタルスキルなどを身につけるための研修を行っています。お客様の事業が成長し、日本全体の課題でもある生産性が向上につながる活動を行っているのが、アデコの強みの1つです。

 もう1つ、生成AI(人工知能)の進化で、産業界全体で「スキルギャップ」が生まれています。例えば昨日まで事務を担当していた人が、今日はデジタル領域を担当しなければならない時代です。この「デジタル人財」の育成も手掛けています。

 さらに我々は人財派遣、アウトソーシング、人財紹介を3本柱にしていますが、中でもアウトソーシングはコロナ前に比べて規模が倍に成長しています。コロナ禍でワクチン接種の仕事の受注などはありましたが、その後も官・民ともに需要は強く、手掛ける業種も増えています。

 また、人手不足は特に地方で顕著で、地方から都市部に人財が流出して戻ってこないという課題があります。そこでこの1、2年、地方創生に貢献できる人財づくりを強化しているところです。

【写真で見る】アデコ社長・平野健二氏の経営に密着!


世界の中の日本の立ち位置は?

 外国人財の活用も課題です。為替は円安傾向ですが、日本で働くことに魅力を感じる方々は多くいます。この方々に日本に来ていただき、衣食住をサポートした上で仕事を紹介するというビジネスも強化しています。

 世界的に人財ビジネス市場が厳しい中、我々日本はグローバルの業績を牽引する存在です。高齢化・人口減の日本ですが、市場は米国に次いで大きく、グループ全体から見てもオポチュニティのある市場です。競争は厳しいですが、だからこそ当社は求職者と企業により良いサービスを提供していくことで差別化を図っていきたいと考えています。

 日本の社会課題解決に貢献しているという自負がありますから、社員には、これまで以上にアデコで働くことに誇りを持って欲しいと伝えています。

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