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永井恒男 アイディール・リーダーズCEO「コーチングは経営者の家庭教師ではなく志を共有する同志」

財界オンライン 2024年10月21日 11時30分

当社は「エグゼクティブ・コーチング」を祖業に、これまで数多くの企業や経営者の皆様に「パーパス」(存在意義)を起点としたコンサルティング、「パーパス・マネジメント・コンサルティング」を提供してきました。

 それ以外にもビジョン策定、グローバルリーダーシップ開発、組織文化変革、ウェルビーイングなど、提供しているサービスは多岐にわたっています。

 ただ、日本でコーチングは、まだメジャーなものではありません。これは大きな問題だと考えており、当社のサービスでなくとも、経営者の方々にはぜひコーチングを採用いただきたいという思いがあります。

 なぜなら、海外のグローバル企業は皆、コーチングを利用しているからです。その利用のあるなしは、サッカーでスパイクを履いているかいないかくらいの違いがあります。

 どうしても日本では、社長など〝偉い人〟は完璧であるという期待があります。さらに、経営者のパーソナルなことをプロにお金を払って相談するという商習慣がありません。

 日本のグローバル企業では、海外の支社長などにはコーチング予算がある一方、国内にいる取締役・役員には、その予算がないのです。

 コーチングは成果の出ない経営者の家庭教師ではありません。優れた経営者が、よりよい意思決定をするためのサポートをする存在です。

 さらには、物事を多角的な見方を身に着けてもらうことで、イノベーティブな意思決定をサポートします。

 私自身の経験で言えば、ある経営者から「コップの水が取り合いになっている。これを自分が欲しいと言わずに手に入れるにはどうしたらいい?」という禅問答のような問いをもらい、自分なりの意見を述べたことがあります。数日後、新聞の1面に、その企業が他社を買収したという記事が掲載されました。

 コーチングは前提として、様々な勉強、経験を経た人が利用するものです。自社のことをよくわかっていて、経験もあるけれど、さらに〝腕前〟を上げたいという時には「ソフトスキル」を上げるしかありません。

 経営者に必要なのは「ソフトな統率力」です。対義語である「ハード」は、日本語で言うと「命令」です。「ソフト」の場合にはアイデアなど、その経営者の「魅力」で組織を牽引するということです。そのために夢やビジョン、パーパスを語って「共鳴」を広げることが大事ですし、プラスアルファで重要なのが人間的魅力、「人間力」です。

 我々がコーチングに入った後、経営がいい方向に向かった企業は数多くあります。私のアプローチは経営者の「親友」であろうということです。本音の意見を引き出すために、鏡のような存在になったりします。すると、自分の考えに固執していたことに気付いたり、自分がいままで気付かなかった別の視点が鏡に映ったようになる。全人格的なアプローチが大切で、経営の話だけしていてはだめなのです。

 経営者の方の夢や、大事にしていること、想いなどを共有することが「親友型コーチング」の一つでもあるのです。経営者個人のパーパスを再発見する手伝いをする、そうして長きにわたって信頼関係を続けていきます。魅力的で優れた経営者の方々と仕事だけでなく人生全てに伴走してゆきます。

 我々のパーパスは「人と社会を大切にする会社を増やす」です。我々のコーチングで、そうした会社が1社でも増えるお手伝いができればと思います。

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