営業利益が前年同期比99%減─。日産自動車が苦境に立たされている。同社の24年4―6月期の連結決算では、営業利益が前年同期比99.2%減の9億9500万円と僅かだった。社長の内田誠氏は「新型車の投入を推し進めることで業績を回復していく」と力を込めたが、株式市場の評価は低いままだ。
10月9日、日産の時価総額が、いすゞ自動車に抜かれた。日産が1兆4674億円に対し、いすゞは1兆4758億円。元会長のゴーン氏が率いていた15年3月31日の時価総額は5兆1328億円で、トヨタ自動車やホンダに次ぐ自動車業界第3位が定位置だった。
しかし今回、いすゞに抜かれたことで業界6位に転落。約40兆円のトヨタ、約8兆円のホンダとライバル2社の背中は遠く、約3兆円のスズキ、約2兆円のSUBARUにも抜かれている。
自動車アナリストは次のように語る。「日産は北米市場において電気自動車(EV)で勝負をかけたが、思った以上に売れず、ハイブリッド車(HV)に電動車のお株を奪われた。戦略の見誤りと言わざるを得ない」
実際、トヨタやホンダは稼ぎ頭の米国においてHVで収益を上げているが、一方の日産はEV「リーフ」を展開するのみでHVは投入していなかった。売れ残って在庫となったクルマを減らすために、日産はディーラーに支払う販売奨励金を上積みしなければならない状況が続く。
日産は悲願だった「経営の自由度」(幹部)を得た。1999年に仏ルノーからの資本を注入され、売り上げや販売台数でルノーを凌駕していた日産だったが、資本関係ではルノーが43.4%を握る筆頭株主になるという〝親子関係〟が続いていた。
しかし、昨年にルノーが保有する日産株を15%まで引き下げ、相互に15%ずつ出資する〝対等な関係〟になったのだが、今ではそのルノーの時価総額は2兆円超。同社にも逆転されている。そんな日産にとっての拠り所はホンダとの協業だ。EVはもちろん、今後の自動車業界を大きく変えるSDV(ソフトウェアによって定義されるクルマ)化への鍵を握るからだ。
もはやゴーン時代の負の遺産を理由にはできない日産。消費者を惹きつけるクルマづくりが求められている。
パナソニックが和歌山で最新型の車載用電池を量産へ
10月9日、日産の時価総額が、いすゞ自動車に抜かれた。日産が1兆4674億円に対し、いすゞは1兆4758億円。元会長のゴーン氏が率いていた15年3月31日の時価総額は5兆1328億円で、トヨタ自動車やホンダに次ぐ自動車業界第3位が定位置だった。
しかし今回、いすゞに抜かれたことで業界6位に転落。約40兆円のトヨタ、約8兆円のホンダとライバル2社の背中は遠く、約3兆円のスズキ、約2兆円のSUBARUにも抜かれている。
自動車アナリストは次のように語る。「日産は北米市場において電気自動車(EV)で勝負をかけたが、思った以上に売れず、ハイブリッド車(HV)に電動車のお株を奪われた。戦略の見誤りと言わざるを得ない」
実際、トヨタやホンダは稼ぎ頭の米国においてHVで収益を上げているが、一方の日産はEV「リーフ」を展開するのみでHVは投入していなかった。売れ残って在庫となったクルマを減らすために、日産はディーラーに支払う販売奨励金を上積みしなければならない状況が続く。
日産は悲願だった「経営の自由度」(幹部)を得た。1999年に仏ルノーからの資本を注入され、売り上げや販売台数でルノーを凌駕していた日産だったが、資本関係ではルノーが43.4%を握る筆頭株主になるという〝親子関係〟が続いていた。
しかし、昨年にルノーが保有する日産株を15%まで引き下げ、相互に15%ずつ出資する〝対等な関係〟になったのだが、今ではそのルノーの時価総額は2兆円超。同社にも逆転されている。そんな日産にとっての拠り所はホンダとの協業だ。EVはもちろん、今後の自動車業界を大きく変えるSDV(ソフトウェアによって定義されるクルマ)化への鍵を握るからだ。
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