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中部電力やNTTドコモが疾患リスクの早期発見で連携

財界オンライン 2024年11月8日 11時30分

「これからの高齢化社会、人手不足の中で、医療・ヘルスケア分野でもデジタルにおける革新が不可欠。業界横断のパートナーシップにより疾病リスクの早期発見を促すことで医療費削減などの社会課題に貢献したい」

 NTTドコモ社長の前田義晃氏はこう語る。

 NTTドコモや中部電力が高齢者の疾患リスクの早期発見につなげる業界横断コンソーシアムに参画する。

 近年、高齢化の進展や独居世帯の増加などに伴い、生活空間での〝転倒〟が増加。こうした生活空間での転倒などの急変や、疾患リスクを早期発見できれば、医療費や介護費などの削減につながるのではないか。こうしたことから、業界横断のプラットフォームづくりが始まった。

 両社の他、YKK AP、大東建託の4社が、ヘルスケア領域のプラットフォーム事業を手掛けるスタートアップ、トータルフューチャーヘルスケア(TFH)へ出資。転倒などの急変や疾患リスクの早期発見モデルの社会実装に取り組む。

 具体的には、住宅や介護施設にセンサーを設置し、対象者のバイタルデータや動きをモニタリング。急変を検知した際は、家族や介護スタッフなどへ通知し、必要に応じて救急要請する。疾患リスクを検知した際には、リスクを対象者へフィードバックし、自身の判断で近くのクリニックや病院、オンライン診療の受診に繋げるようにする。

 例えば、大東建託なら住宅・介護施設への早期発見モデルの実装、ドコモは通信インフラの提供など、各社の強みや既存事業を生かして、急変の早期発見に繋げたい考えだ。中部電力社長の林欣吾氏は「こうしたソリューションの開発や実証は電力会社1社ではできない。パートナーと共同で新しいビジネスモデルを構築していく」と語る。

 高齢化の進展によって、国の医療費は3年連続で最高となる約47兆円まで増加。企業各社が得意技を持ちより、社会コストの削減に向けた新たな取り組みが始まった。

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