みずほフィナンシャルグループ系列のリース大手、東京センチュリー次期社長に前みずほ銀行頭取の藤原弘治氏が就く人事(2025年4月1日付)が、金融界で波紋を広げている。
メガバンク最上位ポスト経験者が系列企業のトップになるのは極めて異例。さらに「旧第一勧銀のエース」とされた藤原氏を社長に招聘した背景には「みずほの宿痾」ともされる統合前の旧母体3行間の縄張り意識も見え隠れする。
経営統合でみずほが誕生して四半世紀近く経つが、リース分野では、東京センチュリー(旧第一勧銀系)、芙蓉総合リース(旧富士銀行系)、みずほリース(旧興銀リース、旧興銀系)の3社が並立した状況が続く。
東京センチュリーは前身の東京リース時代を含め、歴代社長を旧第一勧銀出身者が占めてきた。ただし、元社長・会長で今も取締役を務める実力者、浅田俊一氏がみずほFGでは副社長止まりだったことからも分かるように、グループ内では他のみずほ系列企業と同様に「ナンバー2以下の人材を処遇する天下りポスト」とも見られてきた。
藤原氏は旧第一勧銀時代から企画畑を歩み、3行統合も担当者として推進。みずほ発足後も企画グループ長や全国銀行協会企画委員長など要職を歴任。出身母体の違う佐藤康博氏をして「みずほの経営を支える逸材」と言わしめた。
17年にみずほ銀行頭取に就任。21年には会長に就くことが決まっていたが、その矢先に大規模システム障害が発生。事後対応のために頭取を続投して22年に退任、会長に就くことはできなかった。
【関連記事】みずほ銀行が3度目のシステム障害 ATMからカード、通帳が戻らず
その後、ゆうちょ銀行の社長候補に取り沙汰されたこともあったが、藤原氏が選んだのは東京センチュリー。同社は従来の枠にとらわれないビジネスを志向、20年にはNTTと伊藤忠商事に対して第三者割当増資を実施、みずほの出資比率を下げた。
みずほFGに残された課題はリースとカードとされる。一方のカードは楽天カードとの資本業務提携を決めた。もう一方のリースは藤原氏の東京センチュリー社長就任で、さらなる〝遠心力〟が働くか。
メガバンク最上位ポスト経験者が系列企業のトップになるのは極めて異例。さらに「旧第一勧銀のエース」とされた藤原氏を社長に招聘した背景には「みずほの宿痾」ともされる統合前の旧母体3行間の縄張り意識も見え隠れする。
経営統合でみずほが誕生して四半世紀近く経つが、リース分野では、東京センチュリー(旧第一勧銀系)、芙蓉総合リース(旧富士銀行系)、みずほリース(旧興銀リース、旧興銀系)の3社が並立した状況が続く。
東京センチュリーは前身の東京リース時代を含め、歴代社長を旧第一勧銀出身者が占めてきた。ただし、元社長・会長で今も取締役を務める実力者、浅田俊一氏がみずほFGでは副社長止まりだったことからも分かるように、グループ内では他のみずほ系列企業と同様に「ナンバー2以下の人材を処遇する天下りポスト」とも見られてきた。
藤原氏は旧第一勧銀時代から企画畑を歩み、3行統合も担当者として推進。みずほ発足後も企画グループ長や全国銀行協会企画委員長など要職を歴任。出身母体の違う佐藤康博氏をして「みずほの経営を支える逸材」と言わしめた。
17年にみずほ銀行頭取に就任。21年には会長に就くことが決まっていたが、その矢先に大規模システム障害が発生。事後対応のために頭取を続投して22年に退任、会長に就くことはできなかった。
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その後、ゆうちょ銀行の社長候補に取り沙汰されたこともあったが、藤原氏が選んだのは東京センチュリー。同社は従来の枠にとらわれないビジネスを志向、20年にはNTTと伊藤忠商事に対して第三者割当増資を実施、みずほの出資比率を下げた。
みずほFGに残された課題はリースとカードとされる。一方のカードは楽天カードとの資本業務提携を決めた。もう一方のリースは藤原氏の東京センチュリー社長就任で、さらなる〝遠心力〟が働くか。