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VAIO社長・山野正樹「PCメーカーとして価格以上の価値を伝え、信頼できる商品をつくり続けることが大事!」

財界オンライン 2024年12月17日 7時0分

キラリと光るものを 持っている会社に


 当社はソニーからパソコン(PC)事業を継承し、2014年に独立して以来、長野県安曇野の本社工場を拠点に、高性能・高品質の製品を数多くお届けし、成長を続けてきました。2025年1月よりノジマグループとなりますが、独立性は尊重されますので、事業運営方針は変えずに、今まで以上に皆様の期待に応えていきたいと考えているところです。

 10年前にソニーから独立した際、当社はコンシューマー向けから法人向けへ、大きな転換をしました。わたしが社長に就任した3年半前の時点でも、未だにソニーのPCだと思っている人も多かったし、法人向けをやっていることを知らない人も多かった。いろいろな苦労もありましたが、おかげさまで今は2年前に比べて売上高が2倍、今期は2.5倍くらいまで成長できる見込みです。

 当社の特徴の一つは上流設計です。ここ安曇野の本社では、開発も、製造も、カスタマーサポートも、一つの場所に集約されているので、最初から皆で意見を出し合って、よい商品をつくることができると。これが一つのキーワードになっていて、何かあったら、すぐにフィードバックすることができるため、より良い商品を生み出し続けることができる体制になっています。

 また、昨年、商品理念である『カッコイイ、カシコイ、ホンモノ』を明文化したことも大きかったと思います。要は、デザインが良く、機能性が良く、丹精込めた逸品をつくっているということ。これは社員がソニー時代から秘めていた思いで、皆が思っていたことを改めて明文化しました。カシコイは何となく思っていたかもしれませんが、こうした当社の良さを誰も気づいていなかったからです。

 この数年でやっと売上も拡大し、パートナーとの信頼関係もより強固なものになったと思いますが、まだ離陸できる状態になったにすぎません。問題はこれから。着実に飛行機の高度を上げていくには、もっと、もっと当社の知名度を上げていかなくてはなりません。

 当社が企業のPC導入関与者にビジネスノートPCと聞いて思いつくメーカーを調査したところ、VAIOを挙げてくださる方はたった4%、25人に1人だけでした。VAIOは知っているけど、ビジネスPCとしての認知度が低いのです。

 一方、NPS(ネット・プロモーター・スコア)と言いまして、自分の使っている製品をどれだけ他の人に薦めたいかという指標があるのですが、この数値でVAIOはWindows陣営でナンバーワンです。ということは、認知度はまだまだ低いけれども、使っている人の満足度は高い。つまり、もっと多くの人に知ってもらうことができれば、更なる成長を果たすことができる。その意味では、わたしはまだまだ大きなポテンシャルがあると思っています。

 当社の商品は、購入価格はちょっと高いかもしれませんが、壊れないし、使い勝手が良くて生産性が上がるし、デザインもいいから気持ちも上がると。VAIOには価格以上の価値があると思っていまして、その価値をいかに伝えていくかが大事だと思います。

 今後はキラリと光るものを持っている会社にしたいし、国内外で存在感を高めていきたい。また、わたしはPC=拡張頭脳だと思っていて、PCは人間の頭だけでは考えられないことを助けてくれるパートナーです。言い換えれば、人生を豊かにしてくれる相棒であり、われわれは頼もしい相棒をいかに進化させるか。わたしはそれが当社の存在価値であり、そうした信頼できるパートナー・相棒をつくり続けることのできるメーカーでありたいと考えています。

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