「米国株黄金時代」到来か?
2024年11月5日の米大統領選を終えて、株式市場はトランプ第2次政権時代を織り込む展開になりつつあります。
トランプ政権の政策はかなり予想されていますが、大幅減税、規制緩和、世界最強の軍事力の実現を目指しています。
これによってアメリカの強い経済、世界における威信を取り戻すことが狙いで、トランプ氏の言葉では「アメリカの黄金時代」を築くとしています。
トランプ氏の言葉通りならば、株式市場でも、「アメリカ株の黄金時代」を買う相場が始まる可能性があるわけです。今は、その「序章」ですが、その段階ですでに、アメリカ株は歴史的な新高値を更新しています。
アメリカは株高で景気もいいわけですが、一方で日本の株価はモタモタしています。要因の1つは政治の不安定化です。
総選挙を経て少数与党になっていることに加え、石破茂首相が存在感を発揮できていません。
ですから、仮に政権で何か問題が起きた時には、短命政権で終わる可能性が極めて高いというのが現状です。政治のリーダーシップがないことから、経済対策も打ち出せていません。
日本株は〝売り〟になっており、24年7月11日の高値、4万2426円を抜くのは難しい情勢です。相場の波動から見て、4万円を突破すれば、株価は4万円買い、4万5000円売りというゾーンに入っていきます。
政権の不安定さに加え、外部要因では為替が円高に動いています。こうなると円安で上がってきた株は売られます。23年からバリュー株底上げ相場を牽引してきた海運、鉄鋼、総合商社など円安メリットのある企業は、軒並み売られています。
この状況下、日本の株価はどこまで下がる可能性があるのか。
前述のように、24年は7月11日の4万2426円が最高値となる可能性が高くなっています。8月5日に3万1156円という最安値を付けており、一番底だと見られます。この水準を下回ると、日本株の上昇は当面、終わりと言っていい状況になるかもしれません。
つまり、中長期では二番底は確認できていないので、3万1156円の水準までで、いつ二番底が入るかが、今後の株価の行方を見通す上での決め手となります。
8月5日の安値からの戻り高値は10月15日の4万257円ですが、相場の世界では「戻り高値は売りの急所」と言われます。
つまり10月15日の高値から半値押しする可能性があるということです。8月5日の安値から10月15日の戻り高値までの上げ幅は9100円ですが、この半値押しは9月9日の3万5247円近辺になります。ですから今後、3万5000円近辺まで下落して、二番底を入れるというのが一つのシナリオです。
例えば、石破政権が短命政権で終わってしまうという事態があったり、円が急騰して再び140円台に入ってくると半値押し、あるいは半値押し以上の下げがあり得ます。
もう1つの売り材料はアメリカ株の動向です。前述のように、アメリカ株は歴史的な高値圏です。ただ、これはやはり過熱気味ですから、ニューヨークダウもどこかで調整が入って、急落する恐れがあります。
従って、石破政権の動向、円急騰、アメリカ株の急落がセットになった時に二番底が入るでしょう。
こうした状況を受けて、個人投資家の皆さんにアドバイスできることがあるとすれば、現金比率を高めることです。戻りは着実に売り、現金比率を高めて次の上昇相場に備えることが必要ではないかと思います。
ただ、多少の含み損があっても有望な銘柄は我慢をする。なぜなら、中長期の上昇トレンドは続くと見ているからです。
先ほど挙げた3つの売り材料が出てこなければ、株価は3万5000円買い、4万円売りというゾーンでの揉み合いが続きます。一進一退の動きです。
問題は、足元では個人投資家にとっては有力な投資テーマが見つからない状況です。
23年はバリュー株の底上げ相場で、好業績、高配当、PBR(株価純資産倍率)1倍割れの銘柄を買えば上昇が期待できました。
それが海運、鉄鋼、総合商社だったわけですが、円高では売られてしまいます。著名投資家のウォーレン・バフェット氏も、今は限りなく現金比率を高めています。
今のアメリカの株式市場は「カジノ化」していると見て、24年5月の株主総会でも「私は絶好球しか打たない」と語っていたと伝えられています。
待機資金は米国短期証券に置かれますから、バフェット氏は実質的に「債券投資家」になっているわけです。このことは要警戒です。
また、2024年11月27日の日本経済新聞夕刊、「ウォール街ラウンドアップ」の見出しは「ミーム株急落が冷ます熱」でした。
日経はミーム株を「はやり株」と訳していますが「投機株」のことです。
そのミーム株の代表格がマイクロストラテジー(MSTR)という企業で、ビットコインを大量に保有しており、その上昇で、MSTRの株価も上昇していましたが、これが急落したのです。相場が過熱気味であることの表れだと思われます。
以前から指摘しているように、日米の株式市場は相場の波動から見て、中長期的には上昇が続くと見ます。ただ、アメリカ株は過熱気味、日本株は不安材料山積みというのが現状です。
今の時点では、2025年は前半安の後半高だと見ています。25年1月20日まではトランプ政権への移行期ですから、この間、政権に対する期待を織り込んで株高が続けば、トランプ大統領実現で織り込み済みとなって売られる可能性があります。
また発足後、100日程度の準備期間を経て、トランプ氏の政策の効果が出てくることになります。前半の株価が安かったとしても25年年央、年後半にはトランプ政権の政策を歓迎して株価は上昇すると見ています。ただし、アメリカの金利とインフレは高止まりが続きます。なので、ボラティリティ(変動性)の高い相場が続くでしょう。
ゆえに2025年は、トランプ大波乱相場の展開が予想されます。
2024年11月5日の米大統領選を終えて、株式市場はトランプ第2次政権時代を織り込む展開になりつつあります。
トランプ政権の政策はかなり予想されていますが、大幅減税、規制緩和、世界最強の軍事力の実現を目指しています。
これによってアメリカの強い経済、世界における威信を取り戻すことが狙いで、トランプ氏の言葉では「アメリカの黄金時代」を築くとしています。
トランプ氏の言葉通りならば、株式市場でも、「アメリカ株の黄金時代」を買う相場が始まる可能性があるわけです。今は、その「序章」ですが、その段階ですでに、アメリカ株は歴史的な新高値を更新しています。
アメリカは株高で景気もいいわけですが、一方で日本の株価はモタモタしています。要因の1つは政治の不安定化です。
総選挙を経て少数与党になっていることに加え、石破茂首相が存在感を発揮できていません。
ですから、仮に政権で何か問題が起きた時には、短命政権で終わる可能性が極めて高いというのが現状です。政治のリーダーシップがないことから、経済対策も打ち出せていません。
日本株は〝売り〟になっており、24年7月11日の高値、4万2426円を抜くのは難しい情勢です。相場の波動から見て、4万円を突破すれば、株価は4万円買い、4万5000円売りというゾーンに入っていきます。
政権の不安定さに加え、外部要因では為替が円高に動いています。こうなると円安で上がってきた株は売られます。23年からバリュー株底上げ相場を牽引してきた海運、鉄鋼、総合商社など円安メリットのある企業は、軒並み売られています。
この状況下、日本の株価はどこまで下がる可能性があるのか。
前述のように、24年は7月11日の4万2426円が最高値となる可能性が高くなっています。8月5日に3万1156円という最安値を付けており、一番底だと見られます。この水準を下回ると、日本株の上昇は当面、終わりと言っていい状況になるかもしれません。
つまり、中長期では二番底は確認できていないので、3万1156円の水準までで、いつ二番底が入るかが、今後の株価の行方を見通す上での決め手となります。
8月5日の安値からの戻り高値は10月15日の4万257円ですが、相場の世界では「戻り高値は売りの急所」と言われます。
つまり10月15日の高値から半値押しする可能性があるということです。8月5日の安値から10月15日の戻り高値までの上げ幅は9100円ですが、この半値押しは9月9日の3万5247円近辺になります。ですから今後、3万5000円近辺まで下落して、二番底を入れるというのが一つのシナリオです。
例えば、石破政権が短命政権で終わってしまうという事態があったり、円が急騰して再び140円台に入ってくると半値押し、あるいは半値押し以上の下げがあり得ます。
もう1つの売り材料はアメリカ株の動向です。前述のように、アメリカ株は歴史的な高値圏です。ただ、これはやはり過熱気味ですから、ニューヨークダウもどこかで調整が入って、急落する恐れがあります。
従って、石破政権の動向、円急騰、アメリカ株の急落がセットになった時に二番底が入るでしょう。
こうした状況を受けて、個人投資家の皆さんにアドバイスできることがあるとすれば、現金比率を高めることです。戻りは着実に売り、現金比率を高めて次の上昇相場に備えることが必要ではないかと思います。
ただ、多少の含み損があっても有望な銘柄は我慢をする。なぜなら、中長期の上昇トレンドは続くと見ているからです。
先ほど挙げた3つの売り材料が出てこなければ、株価は3万5000円買い、4万円売りというゾーンでの揉み合いが続きます。一進一退の動きです。
問題は、足元では個人投資家にとっては有力な投資テーマが見つからない状況です。
23年はバリュー株の底上げ相場で、好業績、高配当、PBR(株価純資産倍率)1倍割れの銘柄を買えば上昇が期待できました。
それが海運、鉄鋼、総合商社だったわけですが、円高では売られてしまいます。著名投資家のウォーレン・バフェット氏も、今は限りなく現金比率を高めています。
今のアメリカの株式市場は「カジノ化」していると見て、24年5月の株主総会でも「私は絶好球しか打たない」と語っていたと伝えられています。
待機資金は米国短期証券に置かれますから、バフェット氏は実質的に「債券投資家」になっているわけです。このことは要警戒です。
また、2024年11月27日の日本経済新聞夕刊、「ウォール街ラウンドアップ」の見出しは「ミーム株急落が冷ます熱」でした。
日経はミーム株を「はやり株」と訳していますが「投機株」のことです。
そのミーム株の代表格がマイクロストラテジー(MSTR)という企業で、ビットコインを大量に保有しており、その上昇で、MSTRの株価も上昇していましたが、これが急落したのです。相場が過熱気味であることの表れだと思われます。
以前から指摘しているように、日米の株式市場は相場の波動から見て、中長期的には上昇が続くと見ます。ただ、アメリカ株は過熱気味、日本株は不安材料山積みというのが現状です。
今の時点では、2025年は前半安の後半高だと見ています。25年1月20日まではトランプ政権への移行期ですから、この間、政権に対する期待を織り込んで株高が続けば、トランプ大統領実現で織り込み済みとなって売られる可能性があります。
また発足後、100日程度の準備期間を経て、トランプ氏の政策の効果が出てくることになります。前半の株価が安かったとしても25年年央、年後半にはトランプ政権の政策を歓迎して株価は上昇すると見ています。ただし、アメリカの金利とインフレは高止まりが続きます。なので、ボラティリティ(変動性)の高い相場が続くでしょう。
ゆえに2025年は、トランプ大波乱相場の展開が予想されます。