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【2025年をどう占いますか?】答える人 GMOインターネットグループ代表・熊谷正寿

財界オンライン 2025年1月8日 18時0分

グループ全社でAIシフト!

 ─ GMOインターネットグループ代表の熊谷正寿さん、近年、生成AIに注力する理由は何ですか。

 熊谷 われわれは10年以上前からAIに取り組んできまして、米オープンAI社の「Chat(チャット)GPT」が登場したのが2年前の11月でした。私は、過去の産業革命は平均すると55年周期で進展してきたと思っています。

「Windows95」が発売された1995年から本格的なインターネット革命が始まったとすると、折り返し地点となる27.5年にChatGPTが登場したことになります。

 私はこの2年間、生成AIを夢中になって使っているうちにあることに気が付きました。それは全ての人が情報を知ることができるインターネットは人の格差を縮めるツールであったのに対し、生成AIは格差を拡大するツールであるということです。つまり、AIを使える人や使う会社と、AIを使わない人や使わない会社というのは、とてつもなく差がついてしまうということです。

 ─ それくらい格差が広がってしまうツールだと。

 熊谷 ですから、当社もこのAIをフルに使って成長していかなければならないと思いまして、グループ全社を挙げてAIシフトを進め、8000人の全パートナー(従業員)がAIを使える人材になるように、と号令をかけました。

 24年6月には、AIとロボット・ドローンの導入・活用支援を行う総合商社「GMO AI&ロボティクス商事(GMO AIR)」という会社を設立しました。AIはロボットと大変相性がよくて、ロボットを作っている会社はAIを搭載したがっているんですね。

 例えば、これまでのロボットは人間がプログラムした通りの動きをしますが、倉庫の中を荷運びロボットが動いている時に、予期せず交通事故や荷崩れが起こると、ロボットはそこで止まってしまうわけです。だから、そこにAIを積んでおけば、自分で判断して別の道を行くことができるんですよ。

 ですから、今後、われわれはAIを作っている会社とロボットを作っている会社をつなぐ縁結び役としてビジネスを行おうと考えているのです。

 ─ キーワードはAIとロボットをつなぐ。

 熊谷 ええ。われわれはAIを作ったり、ロボットを作ったりはしません。あくまでも商社機能に徹します。AIとロボットを結びつける会社というのは世界でも珍しい。今後はそれを当社が主導し、世の中にAIが搭載されたロボットを普及させることで、世の中をもっと便利にしていこうと考えています。

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