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GMOインターネットグループ・熊谷正寿代表「2025年はセキュリティー事業に力を入れていく!」

財界オンライン 2025年1月29日 7時0分

2025年は セキュリティー事業を強化


 ー 改めて、GMOインターネットグループの今後の方向性を聞かせてもらえますか。

 熊谷 われわれは、セキュリティー事業に力を入れていこうと考えています。現在、グループで約8千人のパートナー(従業員)がいるんですが、このうち1千人はセキュリティーに関わる人材です。

 セキュリティーは三つやっていまして、一つは暗号化のセキュリティー、二つ目はホワイトハッカーを中心とするサイバーセキュリティー、最後はなりすまし防止などを主体として企業のブランドを守るブランドセキュリティーです。

 今後はこれを前面に出して、AI(人工知能)を含めた、様々な商材と掛け合わせてシナジーを出していく。これまでわれわれがずっと広げてきたインターネットというものを、より安全に、安心して使っていただける環境をつくっていこうと考えています。

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 ー これはある意味で、ソリューションビジネスということになりますか。

 熊谷 ソリューションビジネスというか、われわれが持っているプロダクトやテクノロジーを多くのお客様にご提供し、皆さんが安心・安全に使っていけるインターネット環境を強化するということです。

 ー 24年6月にはグループ再編も発表しています。この狙いは何ですか。

 熊谷 GMOインターネットグループは現在112社ありますが、GMOインターネットグループ本体が三角形で全体を引っ張っていくような体制だったんですね。しかし、これだと頭が一つなので、経営のスピードが遅くなるんです。

 ですから、もっとフラットな組織にしたいと思っていまして、本体が担っていた役割を中間持ち株会社という形でいくつかに分散したいと思っています。そうなると、例えば、5つに組織を分散できれば、経営スピードも5倍になりますからね。

 その1回目が、インターネットインフラ事業をインターネット広告・メディア事業を行っている連結会社であるGMOアドパートナーズへ承継させると。その上で、2025年1月1日からGMOインターネットに社名を変更するということだったのです。




イズムの共有が大事


 ー 今は産業界でもIT人材の奪い合いが激しいと聞きますが、採用で工夫していることはありますか。

 熊谷 われわれはIQ(知能指数)が高く、EQ(心の知能指数)が高く、AIが使える高度な人材のみを採用しています。人数勝負の時代はもう終わりで、これからはむしろ人数を考えずに、優秀な人だけを採用する体制に変えなければダメだと思っています。

 当社では「新卒年収710万円プログラム」と言いまして、優秀なパートナーであれば新卒でも年収710万円で人材を採用しています。おかげさまで沢山の方々に応募いただけているので、人材の質はどんどん上がっていると思います。

 ー 優秀な人材を獲得するには、それだけの年収を払ってもいいと。

 熊谷 ええ。それこそ、今はAIの時代ですから、人数勝負のビジネスをしていたら負けるだけです。

 ー 熊谷さんから見ていて、伸びる人材はどんな人たちですか。

 熊谷 やはり、われわれのイズムを共有し、わたしが30年以上大事にしてきた志や夢を理解し、実践できる人です。わたしには特段の能力があったわけではありませんが、それでも夢を信じてコツコツやっていると、できないことはない。世の中、基本的にできないことはないと思いますから、全世界80億人の人たちが笑顔で豊かな生活をおくることができるよう、自分たちの得意なところを淡々とやっていくしかないと思います。

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