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東京海上HD社長に小池昌洋氏 大手金融機関最年少の53歳

財界オンライン 2025年2月3日 20時0分

「新たな挑戦を絶え間なく続け、成長軌道に載せ、海外も含めたグループ一体経営を一段上のステージに引き上げる」と話すのは、東京海上ホールディングス(HD)次期社長の小池昌洋氏。

 東京海上HDが社長交代を発表した。常務執行役員の小池氏が社長に、社長の小宮暁氏は代表権のない会長に就き、会長の永野毅氏は退任する。

 小池氏は1971年12月生まれで現在53歳。大手金融機関では最年少での社長就任となる。ただ、小宮氏は「人物本位で選んだ」と強調し、小池氏も「年齢は気にしていない」と話す。

 現在、小池氏は米ニューヨークに駐在し、北米、中南米事業を統括するなど海外経験も豊富だが、印象に残る出来事として、14年に派遣された海外子会社・トウキョウ・ミレニアム・リーでの経験を挙げる。

 同社を成長させるために派遣され、現場の責任者を務めたが、残念ながら売却する運びに。成長のために自らが声をかけて集めたメンバーに事業売却を告げるという辛い経験をし、円形脱毛症になるほどだった。ただ、これを無事にやり遂げたことは今に生きている。

 東京海上HDはこれまで、欧米の保険会社を買収するなどして、地理的・事業的分散を進めてきた。そして24年11月には日本の建設コンサルティング会社・ID&Eホールディングスを約980億円で買収することを発表。異業種の取り込みとなるが、小宮氏はこれを「保険の再定義」と位置づける。

 ID&Eの知見を生かして、防災・減災のアドバイスをしたり、被災後の建物の修理などを担うといったシナジーを生むことを目指している。こうした従来の事業の枠に捕らわれない開拓も小池氏に問われる。

 東京海上日動火災保険を始めとする大手損保各社では、企業向け保険におけるカルテルや、代理店との関係見直しなど、「現場」の改革が求められている最中。小宮氏は「会社を作り変える覚悟」と話し、この実行も小池氏に託すことになる。

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