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日本生命・筒井義信氏が経団連会長に内定、「日本経済の発展に全力」

財界オンライン 2025年2月3日 20時0分

日本経済は課題山積

「歴代会長のたゆまぬ取り組みを受け継ぎ、『成長と分配の好循環』を通じた日本経済の持続的発展に全力を尽くして参ります」ー。こう力を込めるのは、経団連次期会長(日本生命保険会長)の筒井義信氏。

 2025年1月14日、経団連は会長・副会長会議を行い、次期経団連会長に筒井氏の起用を内定した。5月29日開催の定時総会を経て、正式に就任する。

 過去15人の経団連会長のうち、非製造業からの就任は2人だけで、筒井氏が3人目。このことは、これまで製造業中心で来た日本で「経済のソフト化」が進んだという変化の表れと言ってもいい。

 現会長の十倉雅和氏は就任以来、『社会性の視座』という言葉を繰り返し使って世に発信してきた。これは経済学者の故・宇沢弘文氏が唱えた『社会的共通資本』の考え方も取り入れた考え方。この言葉を筒井氏も用いており、2人の思想が共鳴していることがうかがえる。

 実際、内定会見で筒井氏は「我が国経済が克服すべき課題は山積している。政府や企業など各界の皆様と丁寧にコミュニケーションを取りながら、十倉会長が掲げられた『社会性の視座』を持って、課題解決に誠心誠意取り組んでいく決意」と語った。

 経営者としての筒井氏の歩みを改めて振り返ると「成長」を強く意識した経営を進めてきたことがわかる。11年に日本生命社長に就任すると「真に最大・最優、信頼度抜群の生命保険会社に成る」を掲げた。

 それまで提携やM&A(企業の合併・買収)に慎重だったところから、一気にアクセルを踏んで三井生命保険(現大樹生命保険)の買収など、成長に向けた投資をすると同時に営業職員チャネルの整備など質・量両面の強化を進めた。こうした経験を経団連でどう生かすか。

 生保という規制業種であることを懸念する声もあるが「経団連会長は個別の企業や業界の利害を離れて日本経済全体の発展に向けての正論を発信していくことが求められている。規制業種だからといって物申しづらいということはあってはならないし、ないと思う」と十倉氏。

 政治との対話、政策提言など、機関投資家として培った視点を生かすことも期待される。

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