日米同盟、そして、 日本の真価が問われている
米国で第二次トランプ政権が始動し、世界の政治・経済・外交などに大きな影響と混乱が起きそうだ。
その混沌とした状況をどう生き抜くかということで、経済リーダーもその真価が問われる。
トランプ氏は第47代大統領に就任するやいなや100本近い大統領令に署名。気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」やWHO(世界保健機関)からの離脱などをさっそく命じている。
もともと"タリフマン(関税男)"と言われ、一律10~20%の関税をどの国にもかけるということで、世界貿易が萎縮に向かわないか心配だ。
「メキシコやカナダからの輸入品に25%の関税を課すのは痛い。もともと米国の経済力、特に製造業の立地が難しくなったので、われわれはメキシコやカナダへ工場をつくった。そこから米国への輸出の道が閉ざされるとすれば、米国民はインフレ上昇に悩むことになると思うのだが……」と、日本の製造業首脳も表情を曇らせる。
トランプ氏は「MAGA(Make America Great Again、アメリカを再び偉大な国に)」と叫び、自国第一主義を掲げる。さらに今回は大統領就任前からグリーンランド(デンマーク領)を米国が所有すべきと発言し、パナマ運河の管理権も米国が取り戻さなければならないと訴えるなど、関連国との間で物議をかもしている。
一方で、規制緩和を進めると宣言しており、これが株価などではプラス要因として受け止められ、株価も就任直後は上昇。こうした言動に国際政治学などの関係者は「歴史が大きく転換する時代が来た」と受け止める。
100余年前の第一次大戦終了時、時の米ウィルソン大統領が国際連盟構想を提唱したものの、議会で認められず、米国は不参加という事態が発生した。
その後、米国は日本やドイツ、イタリアと対峙し、第二次大戦で勝利。以来、経済のグローバル化と共に法の支配、民主主義、人権尊重などをうたい、民主主義のお手本として振る舞ってきた。
しかし、今や米国はそうした伝統を否定し、自国愛を前面に打ち出そうとしている。
自国第一主義の根底には「自己愛が強烈にある」(国際政治学者)ということがあり、自分の利益になることだけを追求する生き方。
その混乱は第一次大戦終了時にもあり、その時の米国は"モンロー主義"と呼ばれた。その時の状況と似ていると指摘する向きもある。歴史は繰り返すと言うべきか。
そういう状況下で、日本の立ち位置をどう図るか。安全保障が深刻な問題となり、日米同盟の真価が問われる中、「もっと日本は世界に向かって発言、提言していく時ではないか」と指摘する経済リーダーもいる。
核問題、脱炭素・環境問題にしろ、「米国も困難な課題を抱えており、いいにくいことがある。そうした米国の現実も踏まえながら、EU(欧州連合)やASEAN(東南アジア諸国連合)などと連係しながら、リーダーシップをもって行動する時だと思う」(某経済首脳)との声もある。
戦後80年の節目、日本の真価も問われている。
【政界】年明け通常国会でも苦境は必至 3野党との合従連衡で切り抜け図る石破首相
米国で第二次トランプ政権が始動し、世界の政治・経済・外交などに大きな影響と混乱が起きそうだ。
その混沌とした状況をどう生き抜くかということで、経済リーダーもその真価が問われる。
トランプ氏は第47代大統領に就任するやいなや100本近い大統領令に署名。気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」やWHO(世界保健機関)からの離脱などをさっそく命じている。
もともと"タリフマン(関税男)"と言われ、一律10~20%の関税をどの国にもかけるということで、世界貿易が萎縮に向かわないか心配だ。
「メキシコやカナダからの輸入品に25%の関税を課すのは痛い。もともと米国の経済力、特に製造業の立地が難しくなったので、われわれはメキシコやカナダへ工場をつくった。そこから米国への輸出の道が閉ざされるとすれば、米国民はインフレ上昇に悩むことになると思うのだが……」と、日本の製造業首脳も表情を曇らせる。
トランプ氏は「MAGA(Make America Great Again、アメリカを再び偉大な国に)」と叫び、自国第一主義を掲げる。さらに今回は大統領就任前からグリーンランド(デンマーク領)を米国が所有すべきと発言し、パナマ運河の管理権も米国が取り戻さなければならないと訴えるなど、関連国との間で物議をかもしている。
一方で、規制緩和を進めると宣言しており、これが株価などではプラス要因として受け止められ、株価も就任直後は上昇。こうした言動に国際政治学などの関係者は「歴史が大きく転換する時代が来た」と受け止める。
100余年前の第一次大戦終了時、時の米ウィルソン大統領が国際連盟構想を提唱したものの、議会で認められず、米国は不参加という事態が発生した。
その後、米国は日本やドイツ、イタリアと対峙し、第二次大戦で勝利。以来、経済のグローバル化と共に法の支配、民主主義、人権尊重などをうたい、民主主義のお手本として振る舞ってきた。
しかし、今や米国はそうした伝統を否定し、自国愛を前面に打ち出そうとしている。
自国第一主義の根底には「自己愛が強烈にある」(国際政治学者)ということがあり、自分の利益になることだけを追求する生き方。
その混乱は第一次大戦終了時にもあり、その時の米国は"モンロー主義"と呼ばれた。その時の状況と似ていると指摘する向きもある。歴史は繰り返すと言うべきか。
そういう状況下で、日本の立ち位置をどう図るか。安全保障が深刻な問題となり、日米同盟の真価が問われる中、「もっと日本は世界に向かって発言、提言していく時ではないか」と指摘する経済リーダーもいる。
核問題、脱炭素・環境問題にしろ、「米国も困難な課題を抱えており、いいにくいことがある。そうした米国の現実も踏まえながら、EU(欧州連合)やASEAN(東南アジア諸国連合)などと連係しながら、リーダーシップをもって行動する時だと思う」(某経済首脳)との声もある。
戦後80年の節目、日本の真価も問われている。
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