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【総務省】アマゾン参入 ふるさと納税の競争激化

財界オンライン 2025年2月5日 11時30分

ネット通販大手アマゾンジャパンが昨年12月、ふるさと納税の仲介サイトを開設した。独自の物流網を生かし、返礼品を最短で寄付の翌日に配送することを可能とした。自治体が負担する手数料を安く設定することで差別化を図るとみられる。

 手数料が他社サイトよりも安ければ、同じ返礼品でも寄付額を低く設定できる。アマゾンの参入で、利用者獲得競争が激化しそうだ。アマゾンのふるさと納税サイトには約1000の自治体が参加。約30万点の返礼品を取り扱う。返礼品の受取日時指定にも対応する。

 仲介事業者は専用サイトで自治体への寄付を受け付け、返礼品の発送支援を担う。「ふるなび」「さとふる」「楽天ふるさと納税」「ふるさとチョイス」などがある。自治体は仲介事業者に手数料を支払う。アマゾンの仲介サイトの利用を始めた自治体によると、手数料は3・8%で、10%程度となっている他のサイトよりも低いという。

 ふるさと納税は、自分の出身地や応援したい市町村などの自治体に寄付すると、その額から2000円を除いた部分が所得税や住民税から差し引かれる制度。

 返礼品は寄付額の3割以下、手数料などを含む経費を含めても5割以下に抑えるルールがある。手数料が安くなれば、寄付額を下げたりすることが可能となり、利用者には魅力だ。

 総務省によると、2023年度のふるさと納税の寄付額は1兆円を突破。返礼品目当ての寄付が多いのが実態とみられ、都市部では税の流出が深刻化している。  

 東京都の小池百合子知事は、アマゾンの参入について「都民のために使われるべき税がさらなる流出を重ね、事態は一層深刻になる」と危機感を強調。制度を「官製通販」と批判し、抜本的な見直しを求めた。

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