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三井住友建設・近藤重敏社長「国内の競争環境が厳しくなる中、海外で次の成長に向けた力を蓄えて」

財界オンライン 2021年7月5日 7時0分

「競争環境が激しくなり、コロナ禍で社会情勢が変わる中で経営を担うことになり、重責を感じている」

 三井住友銀行出身で経営企画を担当してきたが、社長への就任は「驚きだった」と振り返る。社内外から、会社を変えることへの期待の表れと見られており、「全力を尽くしたい」と話す。

 20年に「グローバル宣言」を打ち出し、海外に成長を求めてきたが、コロナ禍の影響を受けて現状は厳しい。しかし「将来的に国内の大きな成長は見込み難いだけに継続していきたい」。今は国内で海外人材の育成を進め、次の成長に向け力を蓄える。

 国内建築は設備投資の先送りなどが見られたが、高層マンションや物流施設は堅調。ただ、「大手ゼネコンとの競争が激しくなっている」と厳しい表情。

 国内土木は「国土強靭化」、防災・減災等に備えたインフラの更新需要を捉えて大規模更新事業の受注を進めたことが功を奏している。20年に三井E&Sホールディングスから橋梁事業を買収、シナジー発揮を目指す。

 建設業界も「DX」が課題。土木はICT活用の施工「i-Construction」に取り組み、建築はコンピュータ上に現実と同じ建物の立体モデルを再現する「BIM」を基点に進める。

 また業界でも珍しく、建物の構造体や部材を予め製造するプレキャストコンクリート工場を7カ所所有し、生産性を高めている。これを施工まで一気通貫でシステム化することを目指す。

「脱炭素」への取り組みも課題。CO2発生を低減した部材の開発の他、自社開発の「水上太陽光発電用フロート」の事業化や水素関連事業の研究を進める。

 社内には「社員が当社で働くことの幸せを実感できる会社にしたい」と訴える。

 愛知県出身で大学卒業後、住友銀行入行。「あえて挑戦しようと飛び込んでよかった。進取敢為の精神や現場直視の姿勢、仕事のスピード感やチームワークの重視など、とても多くのことを学ばせていただいた」

 学生時代は競技ダンスに打ち込んだ。今はウォーキングで心身の健康を維持している。

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