超長期、長期、中期、短期の波動は?
以前から指摘しているように、日米の株価は長期にわたって上昇してきました。日経平均株価の超長期波動の出発点は、前年のリーマンショックを織り込んだ2009年3月10日の安値7054円です。
長期波動は2012年11月13日の国会で当時の民主党・野田佳彦首相が、自民党の安倍晋三氏の質問に答えて解散を明言したところが出発点です。
そして中期波動が20年3月19日のコロナショックを受けた安値、1万6358円です。ここから、すでに1年以上上昇を続けています。
短期波動の出発点は20年10月30日の2万2498円です。米大統領選の結果が出るまで株価は不透明でしたが、民主党のバイデン候補の勝利を歓迎して、この日から上昇を開始しました。
多くのプロの投資家は「日柄」、時間のサイクルを重要視していますが、どこで調整が入ってもおかしくない局面です。
短期波動は2~3カ月、中期波動は数カ月~半年とされますが、実際短期波動の出発点である10月30日から株価は上昇し、5カ月目の2月16日の3万714円という高値をつけました。
その後押し目が入って、5月13日の2万7385円という安値をつけた後、2万8000円から3万円の間で揉み合いとなり、株価の方向性が定まらない状況が続きました。
6月末現在、私は短期的には、株価は目先、下落方向に向かうのではないかと見ています。その場合、今年の安値を見ると、1月29日に2万7629円、5月13日には2万7385円と1月の安値を下回り、ここでダブルボトムとなっています。近く、これらの安値を下回ると「梅雨入り相場」となります。
気になる動きがあったのが6月23日です。高値は2万9008円でしたが、引け値は2万8875円となり、寄り付き値より引け値が安くなり、さらに前日よりも下落したのです。これをチャートでは「極線」といい、相場の転換点に出るものです。
今後の展開は「波高き相場」です。それは今日500円高の後、400円安といった展開ですが、相場世界には「波高きは天底の兆し」という格言があります。波高き動きが高値圏で出ると天井、安値圏で出ると底ということになりますから、この動きが続くようであれば要警戒で、相場は一旦下がり、その後上がるという展開となります。
5月13日の2万7385円を下回るかどうかが焦点で、ここを下回らなければダブルボトム、トリプルボトムとなって日柄調整が続きます。
今説明したのは短期の動きですが、中長期で見ると、コロナショックで昨年3月に安値が入り、その後日米ともに超金融緩和と史上最大の景気対策を打ってきました。この調整局面が訪れようとしています。この調整が浅いか、深いかの見極めが必要です。ただ、この調整が終われば株価は上昇するでしょう。
今年後半は「政局」が株価の動きを左右する
日本はワクチン接種が進み、一部都市を除いて緊急事態宣言は解除されました。この「脱コロナ、ワクチン接種拡大」を歓迎して株価が上昇する可能性があります。
さらに東京五輪を開催するか否かの論争が終わります。開幕すれば、世界中の人々が五輪を歓迎すると思います。仮に五輪中に感染が拡大しても、政府は必死に抑えにかかるでしょう。五輪開催も株高につながります。
そして以前から指摘しているように、9月5日のパラリンピックの閉幕直後に臨時国会を召集して、その冒頭で衆議院を解散するのではないかと見ています。その結果を受けて自民党総裁選が行われ、菅義偉首相の再選となるという見方が有力です。
総裁選の結果、菅首相が再選されずとも、いずれにせよ、ここで「ポスト安倍」の本格政権が誕生することになります。新政権が目指すのは、第1にワクチン接種先進国となってコロナを克服すること、第2に「第3の矢」である成長戦略、「デジタル産業革命」を目指すことになります。この政権誕生で年末にかけて株価は上昇し、10月には高値を付けると見ています。
米国も、バイデン大統領の金融緩和と景気対策が少なくとも8月末までは続きます。8月27日、28日に開催される「ジャクソンホール」での会議で、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が金融緩和の縮小「テーパリング」を前倒しで宣言するかもしれません。
8月末に金融緩和が修正されることを懸念して、8月前半頃までに高値をつけて、その後米国株は調整に入る可能性があります。
中長期的には日米ともに「デジタル産業革命」を進めるということで、株価は上昇していくものと見ています。
株式以外の資産についても今後、さらに上昇してくると見ています。日米で量的緩和が続いていますが、これは間違いなく「資産インフレ」につながります。まず株が上がり、その後不動産にも波及するでしょう。
ただ、今回の資産インフレは「局地資産インフレ」です。大都市の不動産価格は上がっても地方に恩恵がない、あるいは大都市でも都心は上がっても郊外は上がらないといった形です。
いずれにせよ、今年後半の株価を占う上で重要なのは「政局」で、それによって株価が上昇します。自民党の3役の顔ぶれ、特に幹事長ポストを二階俊博氏が続投するか否か、東京都知事の小池百合子氏はどう動くのかといったことも絡んで、政局と株価は波乱含みの展開となるでしょう。
【株価はどう動く?】株価の調整局面入りを判断するための「3つのチェックポイント」とは?
以前から指摘しているように、日米の株価は長期にわたって上昇してきました。日経平均株価の超長期波動の出発点は、前年のリーマンショックを織り込んだ2009年3月10日の安値7054円です。
長期波動は2012年11月13日の国会で当時の民主党・野田佳彦首相が、自民党の安倍晋三氏の質問に答えて解散を明言したところが出発点です。
そして中期波動が20年3月19日のコロナショックを受けた安値、1万6358円です。ここから、すでに1年以上上昇を続けています。
短期波動の出発点は20年10月30日の2万2498円です。米大統領選の結果が出るまで株価は不透明でしたが、民主党のバイデン候補の勝利を歓迎して、この日から上昇を開始しました。
多くのプロの投資家は「日柄」、時間のサイクルを重要視していますが、どこで調整が入ってもおかしくない局面です。
短期波動は2~3カ月、中期波動は数カ月~半年とされますが、実際短期波動の出発点である10月30日から株価は上昇し、5カ月目の2月16日の3万714円という高値をつけました。
その後押し目が入って、5月13日の2万7385円という安値をつけた後、2万8000円から3万円の間で揉み合いとなり、株価の方向性が定まらない状況が続きました。
6月末現在、私は短期的には、株価は目先、下落方向に向かうのではないかと見ています。その場合、今年の安値を見ると、1月29日に2万7629円、5月13日には2万7385円と1月の安値を下回り、ここでダブルボトムとなっています。近く、これらの安値を下回ると「梅雨入り相場」となります。
気になる動きがあったのが6月23日です。高値は2万9008円でしたが、引け値は2万8875円となり、寄り付き値より引け値が安くなり、さらに前日よりも下落したのです。これをチャートでは「極線」といい、相場の転換点に出るものです。
今後の展開は「波高き相場」です。それは今日500円高の後、400円安といった展開ですが、相場世界には「波高きは天底の兆し」という格言があります。波高き動きが高値圏で出ると天井、安値圏で出ると底ということになりますから、この動きが続くようであれば要警戒で、相場は一旦下がり、その後上がるという展開となります。
5月13日の2万7385円を下回るかどうかが焦点で、ここを下回らなければダブルボトム、トリプルボトムとなって日柄調整が続きます。
今説明したのは短期の動きですが、中長期で見ると、コロナショックで昨年3月に安値が入り、その後日米ともに超金融緩和と史上最大の景気対策を打ってきました。この調整局面が訪れようとしています。この調整が浅いか、深いかの見極めが必要です。ただ、この調整が終われば株価は上昇するでしょう。
今年後半は「政局」が株価の動きを左右する
日本はワクチン接種が進み、一部都市を除いて緊急事態宣言は解除されました。この「脱コロナ、ワクチン接種拡大」を歓迎して株価が上昇する可能性があります。
さらに東京五輪を開催するか否かの論争が終わります。開幕すれば、世界中の人々が五輪を歓迎すると思います。仮に五輪中に感染が拡大しても、政府は必死に抑えにかかるでしょう。五輪開催も株高につながります。
そして以前から指摘しているように、9月5日のパラリンピックの閉幕直後に臨時国会を召集して、その冒頭で衆議院を解散するのではないかと見ています。その結果を受けて自民党総裁選が行われ、菅義偉首相の再選となるという見方が有力です。
総裁選の結果、菅首相が再選されずとも、いずれにせよ、ここで「ポスト安倍」の本格政権が誕生することになります。新政権が目指すのは、第1にワクチン接種先進国となってコロナを克服すること、第2に「第3の矢」である成長戦略、「デジタル産業革命」を目指すことになります。この政権誕生で年末にかけて株価は上昇し、10月には高値を付けると見ています。
米国も、バイデン大統領の金融緩和と景気対策が少なくとも8月末までは続きます。8月27日、28日に開催される「ジャクソンホール」での会議で、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が金融緩和の縮小「テーパリング」を前倒しで宣言するかもしれません。
8月末に金融緩和が修正されることを懸念して、8月前半頃までに高値をつけて、その後米国株は調整に入る可能性があります。
中長期的には日米ともに「デジタル産業革命」を進めるということで、株価は上昇していくものと見ています。
株式以外の資産についても今後、さらに上昇してくると見ています。日米で量的緩和が続いていますが、これは間違いなく「資産インフレ」につながります。まず株が上がり、その後不動産にも波及するでしょう。
ただ、今回の資産インフレは「局地資産インフレ」です。大都市の不動産価格は上がっても地方に恩恵がない、あるいは大都市でも都心は上がっても郊外は上がらないといった形です。
いずれにせよ、今年後半の株価を占う上で重要なのは「政局」で、それによって株価が上昇します。自民党の3役の顔ぶれ、特に幹事長ポストを二階俊博氏が続投するか否か、東京都知事の小池百合子氏はどう動くのかといったことも絡んで、政局と株価は波乱含みの展開となるでしょう。
【株価はどう動く?】株価の調整局面入りを判断するための「3つのチェックポイント」とは?