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【国交省】旅館業法の改正を確認 感染が疑われる利用者を拒否

財界オンライン 2021年7月17日 18時0分

自民党の観光立国調査会(会長・林幹雄幹事長代理)はこのほど、観光に関する法制度の改善に向けた検討結果をまとめた。旅館やホテルなどの宿泊事業者が、発熱などで新型コロナウイルスの感染が疑われる人の利用を拒否できるよう、旅館業法の改正を目指す方針を確認。事業者と利用者の双方の安心感を高めるのが狙いで、厚生労働省とも連携して、秋の臨時国会に提出する予定だ。

 同調査会事務局長の武井俊輔・衆院議員は取りまとめに際し、「いろんな店で『熱がある方お断り』とある中で、旅館だけ法律違反になるのは厳し過ぎる」と法改正の必要性を訴えた。

 発熱だけで宿泊を拒否できないのは、同法5条が「伝染性の疾病にかかっていると明らかに認められるとき」などを除いて宿泊を拒んではならないとしているからだ。

 この条文は、もともと「医師が診療を拒んではいけないと定める医師法を援用し、行き倒れになっている人を助けなければいけないという趣旨だった」(与党議員)という。現在では、差別などによる人権侵害を防ぐのが念頭にある。

 実際、2003年には熊本県南小国町の「アイレディース宮殿黒川温泉ホテル」がハンセン病療養所入所者の宿泊を拒否し、経営者が同法違反で略式起訴された事案もあった。

 ある自民議員は「この問題は、利用者側と事業者側の人権の綱引きのようなものだが、少し利用者側に偏っている」と指摘。「国会で差別を懸念する意見が上がるかもしれないが、そういう話ではないので、ぱっと改正しないといけない」と話す。

 調査会は政府と連携して「不当な差別的扱いをしてはならない」といった文言を入れるなど、条文の詳細を詰める予定だ。武井氏も「安易に拒否が乱用されることはあってはいけない」と強調していた。

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