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【経産省】21年度の最低賃金、目安は全国一律28円引き上げへ

財界オンライン 2021年8月11日 18時0分

2021年度の最低賃金(時給)について、中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)はこのほど、全国一律で28円を目安に引き上げるよう答申した。経済産業省はこれを踏まえ、官公需における労務費に関し、引き上げ分の価格転嫁を図るよう各府省に要請した。

 対象となる契約は各府省でリスト化し、8月中に中小企業庁に提出してもらう。今回は引き上げ幅が大きく、民間同士の契約においても価格交渉が求められることから、「国が率先垂範する」(幹部)考えだ。

 目安の上げ幅は、02年度に最低賃金を時給で示す現在の方式を採用して以来、過去最大。目安通りに上がれば全国平均で時給930円となり、全都道府県で初めて800円を超える。各都道府県は10月初頭に新たな最低賃金を適用する見通しだ。幹部は「今回は影響が大きい。特に中小企業、下請け事業者にしわ寄せがいかないよう、給与の支払い実態を見て契約額を見直す必要がある」と強調した。

 経産省が各府省にリストの提出を求めるのは初めてで、10月1日までに締結し、同日以降に履行が終了する全ての官公需の契約が対象。中企庁によると、工事現場の誘導や建物の清掃、案内業務、公園の植栽管理業務などが最低賃金の影響を受けやすい。リスト化した契約については、各府省が受注者に対して金額変更が必要かどうかを確認し、対応することを求めた。

 中企庁は価格転嫁を徹底するため、各府省のリストに基づき、サンプル調査を行う予定。9月下旬ごろから受注者に調査票を送付し、各府省が積極的に契約変更に応じたかどうかを確認する。また、最低賃金の改定の影響を受けやすい業種について実態を把握し、11月に結果を取りまとめる。

 政府は民間同士の契約においても最低賃金の改定を踏まえて価格交渉に応じるよう親企業などに呼び掛ける。9月に大型キャンペーンを実施する方針だ。

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