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【農林水産省】農地集約計画をルール化 耕作放棄地に歯止め

財界オンライン 2021年8月14日 18時0分

農林水産省は、地域ごとに農地の将来像を明確にする「人・農地プラン」について、作成をルール化する。さらなる後継者不足が見込まれる中、農地の集約を促進し、耕作放棄地を抑制することが狙い。ルール化に当たり、プランの策定を明記した関連法改正案を、来年の通常国会に提出する方針だ。

 プランには地域の耕地面積に加え、このうち高齢農家が担う面積、跡継ぎが決まっていない面積などを盛り込む。農地集約に向けた取り組みや新規就農者の確保策なども示し、最終的には市町村が取りまとめて公表する運びとなる。

 プランは12年から始まった取り組みだが、策定は遅れている。農水省によると、19年度時点で完了しているのは面積ベースで4割にとどまる。1割が着手できていない。

 計画作りには、農家同士の話し合いや、農家へのアンケート調査を実施するなど、丁寧なプロセスが欠かせず、多大な労力も要する。農水省は「市町村もマンパワーが不足しており、プランに手が回らないのが現状だ」(幹部)と説明する。

 ただ、プランをまとめ、農村の将来像を描けなければ、耕作放棄地が増え、食料の生産体制にも悪影響が生じる。

 荒れ果てた農地は近年、拡大傾向にある。農水省によると、再生利用困難な荒廃農地(19年)は08年比1・4倍の19・2万㌶に増えた。農業従事者の減少が今後も避けられない中、再生利用困難な荒廃農地の増加に歯止めをかけられなければ、ただでさえ低迷している食料自給率が下がり、農林水産物・食品の輸出振興に足かせとなる。

 生産体制の維持には、農地の賃借を仲介する農地中間管理機構(農地バンク)を活用し、農地集約化を強力に推し進めることがカギとなる。農家と所有者間での個別取引では、農地が分散した状態が解消されず、農家の大規模化は進まない。このため、農水省は貸し借りの手法をバンクに一元化する方針だ。

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