「年内にも方針を発表できるように検討を重ねている」と語るのは、西武ホールディングス(HD)の幹部。2021年3月期の連結最終損益は723億円の赤字と、私鉄15社中で最大の赤字を計上した同社が、保有施設の売却検討を進めている。
売却の対象になっているのは採算が見込みにくいホテルをはじめ、ゴルフ場やスキー場などのレジャー施設。売却候補は選定中だが、「ザ・プリンス パークタワー東京」や「札幌プリンスホテル」「びわ湖大津プリンスホテル」などが挙がっている。
一方で、今後の周辺再開発によって価値が上がりそうな「品川プリンスホテル」やコロナ前から外国人に人気で、今後はワーケーションといった新たな需要が取り込めると見込める「軽井沢プリンスホテル」などは売却しない方針という。
コロナ前までは西武HDの売上高の4割を占めていたのがホテル・レジャー事業だった。同社の施設は全国規模で展開されており、営業利益では3割弱を占める「稼ぎ頭」(同)になっていた。東急も非運輸事業の比率は大きいが、流通小売りや不動産が柱となっており、ホテル・リゾート事業の売上高は全体の1割以下に過ぎない。
そんな中、コロナの感染拡大で観光・レジャー需要が急減速。平均稼働率も2割程度と落ち込みが続く。もともと西武HDの子会社・プリンスホテルは国内49ホテルのうち39のホテルを所有・運営しているため、総資産が売り上げ規模に比べて大きかった。
急場をしのぐため、西武HD社長の後藤高志氏が掲げたのが「アセットライトなビジネスモデル」への転換。簿価で1000億円規模の保有資産が売却候補となる。資産売却で財務体質改善やコロナ後を見据えたホテル・レジャー事業の収益性の改善につなげたい考えだ。
そしてプリンスホテルは運営に特化していく。世界のホテルチェーンでも所有と運営が分離されるケースが「標準になっている」(前出の幹部)。そのためプリンスも施設を売却した後、その運営を受託する形を目指す。
「明けない夜はない」と社員を鼓舞して再上場に漕ぎつけた後藤氏。再び訪れた夜をどう乗り越えていくか。
【おすすめ記事】クレディセゾン・林野宏会長CEO「カード会社から『総合生活サービス企業グループ』への転換を成し遂げていく」
売却の対象になっているのは採算が見込みにくいホテルをはじめ、ゴルフ場やスキー場などのレジャー施設。売却候補は選定中だが、「ザ・プリンス パークタワー東京」や「札幌プリンスホテル」「びわ湖大津プリンスホテル」などが挙がっている。
一方で、今後の周辺再開発によって価値が上がりそうな「品川プリンスホテル」やコロナ前から外国人に人気で、今後はワーケーションといった新たな需要が取り込めると見込める「軽井沢プリンスホテル」などは売却しない方針という。
コロナ前までは西武HDの売上高の4割を占めていたのがホテル・レジャー事業だった。同社の施設は全国規模で展開されており、営業利益では3割弱を占める「稼ぎ頭」(同)になっていた。東急も非運輸事業の比率は大きいが、流通小売りや不動産が柱となっており、ホテル・リゾート事業の売上高は全体の1割以下に過ぎない。
そんな中、コロナの感染拡大で観光・レジャー需要が急減速。平均稼働率も2割程度と落ち込みが続く。もともと西武HDの子会社・プリンスホテルは国内49ホテルのうち39のホテルを所有・運営しているため、総資産が売り上げ規模に比べて大きかった。
急場をしのぐため、西武HD社長の後藤高志氏が掲げたのが「アセットライトなビジネスモデル」への転換。簿価で1000億円規模の保有資産が売却候補となる。資産売却で財務体質改善やコロナ後を見据えたホテル・レジャー事業の収益性の改善につなげたい考えだ。
そしてプリンスホテルは運営に特化していく。世界のホテルチェーンでも所有と運営が分離されるケースが「標準になっている」(前出の幹部)。そのためプリンスも施設を売却した後、その運営を受託する形を目指す。
「明けない夜はない」と社員を鼓舞して再上場に漕ぎつけた後藤氏。再び訪れた夜をどう乗り越えていくか。
【おすすめ記事】クレディセゾン・林野宏会長CEO「カード会社から『総合生活サービス企業グループ』への転換を成し遂げていく」