東京五輪で活躍する選手を次々に支援
2021年7月23日に開会式典を迎えた東京五輪は、コロナ禍もあって、開催そのものを反対する声も多かった。結局、大会組織委員会やJOC(日本オリンピック委員会)やIOC(国際オリンピック委員会)、さらには日本政府の関係者が協議し、「無観客開催」という形で開催することを決断。
炎天下での文字通り、熱き戦いが各種目で繰り広げられた。
お家芸の柔道や新種目のスケートボードで若き日本選手が金メダルを獲得し、国民に感動と前に進む勇気を与えてくれた。
ミキハウス所属の選手では、レスリング(グレコローマン60キロ級)の文田健一郎選手が銀メダル、空手(女子形)の清水希容選手も銀メダルを獲得した。
カヌーの日本代表、羽根田 卓也選手も今回の五輪に出場した一人。カヌーに人生をかけて、高校を卒業してすぐカヌーの本場・欧州スロバキアにも渡り、技の向上に努めてきた。
そんな羽根田選手もなかなかスポンサーがつかず、「もうカヌーを辞めないといけない」という土壇場に追い込まれた時期があった。
羽根田選手は、懸命に名だたる大企業にも手紙を書いたり、また直接面会してスポンサーを頼んだりしたが、結局、色よい返事はもらえなかった。
それまでカヌー競技の第一人者として、日本選手権は12度優勝。2012年のロンドン五輪が終わり、「次のリオデジャネイロ大会(2016年)までは競技を続けたい」という時で、本人も悩んでいた。
カヌー競技では、アジア人でメダルを獲った者がいない。それだけに羽根田選手は何としても「五輪で金メダルを獲る」とトレーニングに打ち込んでいた。
羽根田選手が苦しい中で努力していることを知った木村は、「あと4年だけでも面倒見たるわ」と支援に動き出す。その結果、羽根田選手は見事、リオデジャネイロ大会で銅メダルを獲得する快挙を遂げた。
その羽根田選手は今回の東京五輪で10位。「悔いはない」という言葉にはスポーツ選手ならではの清々しさを感じた。
ミキハウスグループ代表・木村 皓一の「世界の子供に笑顔と安心を!」(第16回)
スポーツ選手を支援する理由 困難な状況下で練習に打ち込み、自分の技を磨き上げていく。そうした日々の鍛錬があってこそ、世界のライバルたちと渡りあえる。
時には、「あの強い選手に勝つためには」と考えて、試行錯誤しながら鍛錬を重ね、周囲も驚くような逆転劇も生まれる。
卓球の混合ダブルス決勝で、第2シードの水谷隼・伊藤美誠ペアが、第1シードで前評判の高かった中国ペアを4対3で破って金メダルを獲得。
日本ペアが卓球の強豪国・中国のペアを破るという快挙に日本中が沸いた。
卓球では、ミキハウスも数多くの選手を支援してきた。
今回の東京五輪に出場の石川佳純や平野美宇といった選手もミキハウスで育った選手たち。 かつては”愛ちゃん”の愛称で親しまれた福原愛もそうだった。
なぜ、木村はスポーツ選手を支援するのか?
「愛ちゃんにしても、石川にしても、小さい時から誰かが応援しないと、あんなに強くならないんです。僕のところの体育館で練習していたからね。愛ちゃんにしても、石川佳純も、平野美宇もそうでした。小さい時から練習に励み、ミキハウスで皆強くなって、オリンピックに出ているということですね」
木村は、五輪出場選手が下積みの頃に引き取って、ミキハウスのコーチを付けて、”卵”状態の選手たちを育ててきた。
「その選手が強くなったら、有力スポンサーが付きますからね。僕のところは、巨額のお金を出してスポンサーをやっているわけではないから、選手は強くなったら大企業のスポンサーと契約して、そちらに移っていく。それでいいんです」
石川佳純選手は現在、全農(全国農業協同組合連合会)の所属となっており、平野美宇選手は日本生命の所属である。
石川選手はミキハウスが支援している間、他の選手たちと一緒に、同社の本拠・大阪府八尾市にある寮に住み、そこから四天王寺高校に通学。ミキハウスはその生活の面倒を見ながら、スポーツ選手を育てていった。
木村はスポーツ選手を育てていく上で、ミキハウスの役割をこのように語る。
「有力なスポンサーと、その子が契約するというのは、その子が頑張って、それだけの価値を自分でつくったということなんです」
世界の舞台に立ち、内外で選手活動を繰り広げていく上で、スポンサーになってくれる企業が現れるということは、その子が自分で実力をつけてきたからだという木村の思いである。
(敬称略、以下次号)
【私の雑記帳】『財界』主幹・村田博文
2021年7月23日に開会式典を迎えた東京五輪は、コロナ禍もあって、開催そのものを反対する声も多かった。結局、大会組織委員会やJOC(日本オリンピック委員会)やIOC(国際オリンピック委員会)、さらには日本政府の関係者が協議し、「無観客開催」という形で開催することを決断。
炎天下での文字通り、熱き戦いが各種目で繰り広げられた。
お家芸の柔道や新種目のスケートボードで若き日本選手が金メダルを獲得し、国民に感動と前に進む勇気を与えてくれた。
ミキハウス所属の選手では、レスリング(グレコローマン60キロ級)の文田健一郎選手が銀メダル、空手(女子形)の清水希容選手も銀メダルを獲得した。
カヌーの日本代表、羽根田 卓也選手も今回の五輪に出場した一人。カヌーに人生をかけて、高校を卒業してすぐカヌーの本場・欧州スロバキアにも渡り、技の向上に努めてきた。
そんな羽根田選手もなかなかスポンサーがつかず、「もうカヌーを辞めないといけない」という土壇場に追い込まれた時期があった。
羽根田選手は、懸命に名だたる大企業にも手紙を書いたり、また直接面会してスポンサーを頼んだりしたが、結局、色よい返事はもらえなかった。
それまでカヌー競技の第一人者として、日本選手権は12度優勝。2012年のロンドン五輪が終わり、「次のリオデジャネイロ大会(2016年)までは競技を続けたい」という時で、本人も悩んでいた。
カヌー競技では、アジア人でメダルを獲った者がいない。それだけに羽根田選手は何としても「五輪で金メダルを獲る」とトレーニングに打ち込んでいた。
羽根田選手が苦しい中で努力していることを知った木村は、「あと4年だけでも面倒見たるわ」と支援に動き出す。その結果、羽根田選手は見事、リオデジャネイロ大会で銅メダルを獲得する快挙を遂げた。
その羽根田選手は今回の東京五輪で10位。「悔いはない」という言葉にはスポーツ選手ならではの清々しさを感じた。
ミキハウスグループ代表・木村 皓一の「世界の子供に笑顔と安心を!」(第16回)
スポーツ選手を支援する理由 困難な状況下で練習に打ち込み、自分の技を磨き上げていく。そうした日々の鍛錬があってこそ、世界のライバルたちと渡りあえる。
時には、「あの強い選手に勝つためには」と考えて、試行錯誤しながら鍛錬を重ね、周囲も驚くような逆転劇も生まれる。
卓球の混合ダブルス決勝で、第2シードの水谷隼・伊藤美誠ペアが、第1シードで前評判の高かった中国ペアを4対3で破って金メダルを獲得。
日本ペアが卓球の強豪国・中国のペアを破るという快挙に日本中が沸いた。
卓球では、ミキハウスも数多くの選手を支援してきた。
今回の東京五輪に出場の石川佳純や平野美宇といった選手もミキハウスで育った選手たち。 かつては”愛ちゃん”の愛称で親しまれた福原愛もそうだった。
なぜ、木村はスポーツ選手を支援するのか?
「愛ちゃんにしても、石川にしても、小さい時から誰かが応援しないと、あんなに強くならないんです。僕のところの体育館で練習していたからね。愛ちゃんにしても、石川佳純も、平野美宇もそうでした。小さい時から練習に励み、ミキハウスで皆強くなって、オリンピックに出ているということですね」
木村は、五輪出場選手が下積みの頃に引き取って、ミキハウスのコーチを付けて、”卵”状態の選手たちを育ててきた。
「その選手が強くなったら、有力スポンサーが付きますからね。僕のところは、巨額のお金を出してスポンサーをやっているわけではないから、選手は強くなったら大企業のスポンサーと契約して、そちらに移っていく。それでいいんです」
石川佳純選手は現在、全農(全国農業協同組合連合会)の所属となっており、平野美宇選手は日本生命の所属である。
石川選手はミキハウスが支援している間、他の選手たちと一緒に、同社の本拠・大阪府八尾市にある寮に住み、そこから四天王寺高校に通学。ミキハウスはその生活の面倒を見ながら、スポーツ選手を育てていった。
木村はスポーツ選手を育てていく上で、ミキハウスの役割をこのように語る。
「有力なスポンサーと、その子が契約するというのは、その子が頑張って、それだけの価値を自分でつくったということなんです」
世界の舞台に立ち、内外で選手活動を繰り広げていく上で、スポンサーになってくれる企業が現れるということは、その子が自分で実力をつけてきたからだという木村の思いである。
(敬称略、以下次号)
【私の雑記帳】『財界』主幹・村田博文