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【農林水産省】マグロ漁獲枠で暫定合意 大型魚は増枠も小型魚は見送り

財界オンライン 2021年9月15日 15時0分

日本や米国、台湾、韓国など6カ国・地域はこのほど、太平洋クロマグロの資源管理を話し合う国際会議を開き、2022年の大型魚(30㌔以上)の漁獲枠を21年比15%増やすことで暫定的に合意した。今後3回の国際会合を経て正式に決まれば、日本の漁獲枠は732㌧増の5614㌧になる。

 一方、日本が強く求めていた小型魚(30㌔未満)の増枠は見送られた。小型魚の漁獲量を増やすことは資源保護に悪影響を与えるとして、米国などの支持を得られなかったことが理由。

 日本は親魚の資源量が回復傾向にあるとして、7月に開催された国際会議に、大型魚と小型魚の枠を20%ずつ増やすよう求めた。日本による増枠提案は4年連続。これまで米国は「資源量は少ない」と反対を続けてきた。

 一方、米国は今年の会合で増枠を認めた。容認した理由は判明していないが、これまでも国際ルールに基づいて増枠が検討できる状況まで資源量が回復していた。入り口で議論を止めてきた米国の姿勢に対し、日本が硬軟織り交ぜて交渉したことが功を奏したとみられる。

 増枠以外では、漁獲枠を使い切らなかった際、枠の17%を上限に翌年に繰り越せる措置を24年まで延長し、大型魚の枠を持たない韓国に30㌧配分することなどで一致した。

 日本が熱望していた増枠が認められるのは今回が初めて。ただ、第一ステップをクリアしたに過ぎず、「全く安心できない」(日本政府関係者)のが実情という。今後3回の会合のうち最も難関なのが、最終ステップである「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)」年次会合。

 これを乗り切れば、増枠などの措置が正式決定となる。WCPFCには日米韓台やパプアニューギニアなど26カ国・地域が加盟している。太平洋の島国を中心に自国の主張を通すため、強硬姿勢で交渉に臨んでくる事態も想定され、クロマグロの増枠そのものが暗礁に乗り上げるリスクもある。

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