石油元売り国内最大手のENEOSホールディングスが、上場子会社で道路舗装最大手NIPPOを非公開化すると発表。親子上場を解消し、水素などの次世代エネルギーに経営資源を集中させる方針だ。
NIPPOは、明治40年に中外アスファルトとして創業。その後、昭和9年にENEOSの前身である旧・日本石油の道路部と浅野物産の道路部が合同で日本鋪道を設立した。今期(2022年3月期)も売上高4650億円、営業利益420億円を見込むなど、安定した経営が持ち味だが、ENEOSは「事業領域の重複は限定的であり、中長期的な成長を見込みづらい」と判断した。
ENEOSは現在、NIPPO株を57・01%保有。ENEOSは米ゴールドマン・サックスと特別目的会社を設立し、10月中旬から11月中旬に株式公開買い付け(TOB)を開始して、一般株主からNIPPO株を買い付ける。その後、TOBが成立すれば、NIPPOはENEOSから自社株買いを実施して非公開化。ENEOSは売却によって得た資金を成長投資に充て、「環境対応型事業や次世代エネルギー供給事業などの成長事業への投資を加速する」(同)。
国内シェア5割と、石油元売り首位のENEOSだが、世界的な脱炭素化の動きや人口減少、電気自動車(EV)の普及などで石油の需要は減少することが予想されており、足元の経営環境は厳しい。
このため、近年は再生可能エネルギーの開発や、燃料電池自動車(FCV)などに水素を供給する水素ステーションの運営など、事業を多角化。石油に頼らない事業ポートフォリオの構築を進めている。
今回のNIPPO非公開化も成長が見込みにくい事業から撤退し、成長が見込める分野へ軸足を移そうというもので、ENEOSの次世代エネルギーシフトが鮮明になっている。
商社だからできることとは何か? 『三菱商事』に見る水素戦略
NIPPOは、明治40年に中外アスファルトとして創業。その後、昭和9年にENEOSの前身である旧・日本石油の道路部と浅野物産の道路部が合同で日本鋪道を設立した。今期(2022年3月期)も売上高4650億円、営業利益420億円を見込むなど、安定した経営が持ち味だが、ENEOSは「事業領域の重複は限定的であり、中長期的な成長を見込みづらい」と判断した。
ENEOSは現在、NIPPO株を57・01%保有。ENEOSは米ゴールドマン・サックスと特別目的会社を設立し、10月中旬から11月中旬に株式公開買い付け(TOB)を開始して、一般株主からNIPPO株を買い付ける。その後、TOBが成立すれば、NIPPOはENEOSから自社株買いを実施して非公開化。ENEOSは売却によって得た資金を成長投資に充て、「環境対応型事業や次世代エネルギー供給事業などの成長事業への投資を加速する」(同)。
国内シェア5割と、石油元売り首位のENEOSだが、世界的な脱炭素化の動きや人口減少、電気自動車(EV)の普及などで石油の需要は減少することが予想されており、足元の経営環境は厳しい。
このため、近年は再生可能エネルギーの開発や、燃料電池自動車(FCV)などに水素を供給する水素ステーションの運営など、事業を多角化。石油に頼らない事業ポートフォリオの構築を進めている。
今回のNIPPO非公開化も成長が見込みにくい事業から撤退し、成長が見込める分野へ軸足を移そうというもので、ENEOSの次世代エネルギーシフトが鮮明になっている。
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