「車両と電池の一体開発で行う」──。トヨタ自動車執行役員の前田昌彦氏は何度も強調する。電気自動車(EV)などの電動化の流れが加速する中、「普及の肝」(幹部)となる電池戦略についてトヨタは”内製化”にこだわるスタンスを明確にした。
2030年までに1兆5千億円を振り向けるとし、1兆円は生産体制の構築などに充てる。具体的にはEV向けのリチウムイオン電池の生産ラインを25年までに10本ほど新設し、その後は年間10本以上のペースで整備。30年には現在の35倍に当たる70本前後まで増やす。
現状、EVの製造コストの3割以上が電池だ。そこでトヨタは安価な電池の材料の開発から車両の電流のロスの削減まで、電池とクルマを連携させた一体開発でコストを20年代後半までに半減させる目標を掲げる。
かねがねトヨタは「EVの需要が確実にあると分かれば、いつでもEVを一気に投入できる準備は整えている」(関係者)と語っていた。「ハイブリッド車(HV)で培ってきた電池の技術はEVにも燃料電池車(FCV)にも応用できる」(別の幹部)という裏付けがあるからだ。
同社は1997年にHVの「プリウス」を投入して以来、累計1810万台のHVを世に出してきたが、その間、電池は自前で研究開発して生産する内製化にもこだわってきた。新型「アクア」でも新たなニッケル水素電池を自社で開発している。一方、車載電池で世界最大手の中国のCATLやEVメーカーのBYDとも提携し、中国における電池の手当ても進める。
トヨタは電動化に際し、一気にEVに代わることはないと見る。「HV3台でEV1台分のCO₂削減に当たる」(同)などHVの有用性は残ると見込む。リチウム電池よりも大容量で耐久性の高い「全固体電池」を20年代前半に実用化させるが、その搭載車がEVではなくHVになることも初めて表明した。
米EV大手のテスラが電池の内製化に着手する意向を示し、ホンダもCATLや米GMからの電池調達を進めている。一方、生産では部品調達難で減産を強いられる。苦境の中でも電池の領域で競争は始まっている。
半導体不足に加え、部品調達不安も 『トヨタ』が9月の生産を約4割減
2030年までに1兆5千億円を振り向けるとし、1兆円は生産体制の構築などに充てる。具体的にはEV向けのリチウムイオン電池の生産ラインを25年までに10本ほど新設し、その後は年間10本以上のペースで整備。30年には現在の35倍に当たる70本前後まで増やす。
現状、EVの製造コストの3割以上が電池だ。そこでトヨタは安価な電池の材料の開発から車両の電流のロスの削減まで、電池とクルマを連携させた一体開発でコストを20年代後半までに半減させる目標を掲げる。
かねがねトヨタは「EVの需要が確実にあると分かれば、いつでもEVを一気に投入できる準備は整えている」(関係者)と語っていた。「ハイブリッド車(HV)で培ってきた電池の技術はEVにも燃料電池車(FCV)にも応用できる」(別の幹部)という裏付けがあるからだ。
同社は1997年にHVの「プリウス」を投入して以来、累計1810万台のHVを世に出してきたが、その間、電池は自前で研究開発して生産する内製化にもこだわってきた。新型「アクア」でも新たなニッケル水素電池を自社で開発している。一方、車載電池で世界最大手の中国のCATLやEVメーカーのBYDとも提携し、中国における電池の手当ても進める。
トヨタは電動化に際し、一気にEVに代わることはないと見る。「HV3台でEV1台分のCO₂削減に当たる」(同)などHVの有用性は残ると見込む。リチウム電池よりも大容量で耐久性の高い「全固体電池」を20年代前半に実用化させるが、その搭載車がEVではなくHVになることも初めて表明した。
米EV大手のテスラが電池の内製化に着手する意向を示し、ホンダもCATLや米GMからの電池調達を進めている。一方、生産では部品調達難で減産を強いられる。苦境の中でも電池の領域で競争は始まっている。
半導体不足に加え、部品調達不安も 『トヨタ』が9月の生産を約4割減