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【総務省】日本郵便が氏名無くても郵便物配達 NHKの受信料徴収に活用

財界オンライン 2021年10月9日 11時30分

日本郵便は、宛先の氏名が不明でも住所だけで郵便物を配達するサービスの試行を開始した。NHKが受信料の徴収業務に活用する。武田良太総務相が昨年12月、NHKと日本郵便に対し、受信料徴収業務に関する連携を要請したことを受け、実現。武田氏は「NHKと日本郵政の双方にプラス効果をもたらしてほしい」と期待感を示している。

 NHKは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、訪問による営業活動が難しくなっており、訪問以外の活動を強化する必要がある。しかし、NHKの受信料徴収経費は、2019年度で759億円と、受信料収入全体の1割に上っている。総務省はNHKが2023年度に計画する受信料引き下げについて早期の具体化を求めており、徴収経費の増大が障害の一つだった。

 武田総務相はこうした事情を踏まえ、徴収経費が「あまりにも膨らんでいる」として、効率化の必要性を再三指摘。全国約2万4000の郵便局を持つ日本郵便とNHKが連携し、経費削減に「積極的かつ早期に取り組むこと」を求めていた。

 氏名が記されていない郵便物は通常、差出人に返送されるが、日本郵便の新サービスを活用すれば配達可能となる。NHKは受信契約を結んでいない世帯に対し、契約への理解を求める文書などを発送する。新サービスは定形郵便物とはがきが対象で、通常の郵便料金に200円上乗せする。

 日本郵便の新サービスはNHK以外も利用でき、市場調査などでの活用を想定している。年間1000通以上の発送など条件がある。

 ただ、この仕組みをめぐっては、郵便物を受け取った視聴者からの反発も出ている。武田氏はNHKに対し「公共放送の役割や受信料制度の意義について国民視聴者の皆さんから十分な理解が得られるよう、引き続き丁寧な説明に努めていただきたい」と要求している。

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