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インターファクトリー創業者社長:蕪木氏には改めて初心を噛みしめて欲しい

財経新聞 2024年5月29日 9時1分

 大規模EC事業者向けに「クラウド型ECプラットフォームの提供」「保守運営サービス」を手掛けるインターファクトリー(東証グロース)は、2003年に現社長の蕪木登氏により設立された。

 上場(2020年8月)翌年、初めて蕪木氏を取材する機会を求めた。公開後初決算の2021年5月期が「18.6%増収、21.6%営業増益」と好調な滑り出しを見せたからだった。

 今回インターファクトリーを書きたいと思ったのは、四季報のパラパラ読みでその後の営業利益動向が「3600万円」「5300万円」と急落していることを知ったからであり、かつ今期計画を4月に大幅に下方修正(営業利益で6900万円を200万円に)したからである。「既存顧客層の受注件数の伸び悩み」が要因だとした。

 初見参時の蕪木氏の心意気を改めて伝えることで、「1億円(四季報の来期の独自予想)をまずは奪還して欲しい」というエールを送りたいと考えた次第だ。

 学卒後、蕪木氏はエンジニアの道に進んだ。が気持ちは日を重ねるにつれ「WEBの将来性」に傾斜していった。ソフトウエアの開発会社に転じた蕪木氏はソフトウエアの開発受託生産という形で業を興した。

 時代の黎明期。蕪木氏は学生の頃から斯界に造詣が深かったとも思えるが、本人は「学生時代はIT絡みの知識など全くなかった。しかし20歳代後半になるとブログやEC、SNSといったサービスが始まるのを目の当たりにして、これは確実に世界を変える。インタラクティブなWEBの世界に行かなくてはならない、と考えた」と、正直に経緯を振り返った。

 創業・起業に際しての資金は、自らが顧客向けソフトウエアを開発・販売し賄った。当時からその先には「ECのプラットフォーマーとして」というビジネスを想定していた。軌道に乗り従業員も増えていく中で、目指す世界に歩を進めていった。

 ECのプラットフォーマーとして頭角を現していくには、契約を締結する企業の開拓がカギ。HPには有力企業が名を連ねていた。蕪木氏は「連携時の開発にはある程度、コストがかかる。が当初はコスト負担を背負う体力がなかった」と正直に打ち明けた上で、こう続けた。

 「顧客がある程度の数になってくると、マーケティング努力や知名度の向上で企業側から提携の打診を頂けるようになった。連携コストは当社負担、先方負担など様々だったが当初に比べ連携しやすい環境が整ってきた」。

 また蕪木氏は、こうも正直に語った。「今日の成長エンジンの大きな要因となったのは、CMO:三石(祐輔)の入社。良いプロダクトを作っているという自負はありましたが、マーケティングに手を付けられない状況。三石をマーケティングに専念させることができたのは、大きな上昇への転換期になったと捉えている」。

 蕪木氏には「初心」を改めて噛みしめて欲しい。

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