■I.米国株式市場
●1.NY株式の推移
1)7/25、NYダウ+81ドル高、39,935ドル 2)7/26、NYダウ+654ドル高、40,589ドル●2.米国株 : 個人消費は堅調・インフレ圧力緩和⇒FRBの利下げ観測高まる⇒株価安定化
1)米国は個人消費は堅調・インフレ圧力緩和⇒FRBの利下げ観測高まる⇒株価安定化 (1)米国景気のソフトランディング(軟着陸)の見通しが強まる。 ・米国実質国内総生産(GDP)の4~6月は前期比年率+2.8%増、予想+2.0%増を上回った。 ・米国景気の底堅さを示した。 ・ただ、消費者は生活防衛のため、食品を買い手控えるなど消費支出に懸念が出始めており、実質所得増の対策が必要。(2)インフレ圧力が緩和傾向を示す。 ・個人消費(PCE)価格指数は前期比年率+2.6%増。食品とエネルギーを除くコアPCEは前期比年率+2.9%上昇。
(3)FRBの9月利下げ観測が強まる。 ・米国連邦準備理事会(FRB)のインフレ目標+2.0%に近づく。 ・PCEとコアPCE指数が鈍化傾向にあり、再加速の可能性が低くなってきた。 ・FRBの重点は、インフレ対策⇒米国景気の持続的な経済成長に移行する可能性が出てきた。
2)7/26の米国主要株価指数の上昇率 ・NYダウ +1.64%高 ナスダック総合 +1.03%高 S&P500 +1.11%高 半導体株(SOX) +1.95%高
・金利低下を背景に相対的な割高感が薄れ、半導体株が大幅上昇。半導体株の反発上昇が牽引役となって、米国主要株価指数に波及した。
3)相場の流れが、大型ハイテク株⇒中小型株へ転換する傾向が強まる ・注目点は、中小型株のラッセル2000指数が+1.65%高と再び活況を呈したこと。値がさ大型ハイテク株の急落を受け、今まで敬遠されてきた中小型株の再評価の動きが出てきた。中小型株のラッセル2000株価指数は、3週連続の上昇となっている。これは相場の流れが、大型ハイテク株⇒中小型株に移る可能性を示唆している。 ・米国株式相場は、GAFAM⇒人工知能(AI)による大型ハイテクを中心とした時価総額の肥大化を求めてきた。しかし、大型ハイテク株相場は株価収益率(PER)が高水準となり警戒感が増し、調整局面に入った。そのため、新たな牽引役が求められていた。
4)米国株は、下落局面から「落ち着き」を取り戻す局面を模索 ・大型ハイテク株の大幅下落もあって、値ごろ感も出てきて買い直される場面が出てくる。 ・FRBの利下げが開始となれば、米国株は金利に対して相対的な割高感が薄れ、大型ハイテク株は落ち着きを取り戻すだろう。 ・ただ、そのカギを握るのはFRBであり、政策判断の変更に注目したい。
●3.米国、生活費が高騰し食品や自動車メーカーの業績を直撃、高級品販売も不振(ブルームバーグ)
1)買い物客の約80%が食料品への支出を減らす=調査。 2)宅配業者配送網に利益率の低い商品が氾濫、旅行も減少傾向。●4.米国GDP、4~6月は前期比年率+2.8%増、予想+2.0%増を上回る(ブルームバーグ)
1)個人消費(PCE)価格指数は前期比年率+2.6%増。食品とエネルギーを除くコアPCEは前期比年率+2.9%上昇。●5.フォード、4~6月の1株利益+0.47ドルと予想+0.68ドルを大きく下回る(ロイター)
1)品質問題やEV部門赤字で。■II.中国株式市場
●1.上海総合指数の推移
1)7/25、上海総合▲15安、2,886 2)7/26、上海総合+4高、2,890●2.中国、6月の工業部門企業利益は前年同月比+3.6%増、5月の+0.7%増から加速(ロイター)
1)1~6月期は前年同期比+3.5%増。 2)1~6月期の内訳は、国有企業+0.3%増、外資系企業+11%増、民間企業+6.8%増●3.中国株、「政策プット」は限界か、3中全会で広がる失望感(ロイター)
●4.中国政府、景気浮揚策として設備更新や家電製品の買い替えに3,000億元(約6.4兆円)超長期国債を発行すると7/25に発表(ロイター)
●5.ホンダ、中国生産能力を年間▲5万台削減、販売苦戦(共同通信)
1)ホンダの中国での年間生産能力は149万台、ガソリン車を中心に▲29万台減、電気自動車(EV)を+24万台増で、全体として▲5万台減。■III.日本株式市場
●1.日経平均の推移
1)7/25、日経平均▲1,285円安、37,869円 2)7/26、日経平均▲202円安、37,667円●2.日本株 : 日経平均は正念場、当面は自律反発が期待できる、調整局面入りをお忘れなく
1)日経平均は正念場 ・7/25、日経平均は2023年1/4を底に長期上昇したが、大幅下落により上昇支持線接した。 ・ここは、反発して上昇に転じるか? 割り込んで下落継続するか? 正念場を迎えている。2)「投機筋の先物主導」で日経平均は「調整局面」 ・6月後半から急上昇した分をすべて失った。 ・日経平均の推移 6/17 38,102円 7/11 42,224円 差引 +4,122円上昇、+10.8%上昇 7/26 37,667円 差引 ▲4,557円下落、▲10.8%下落
・短期海外勢の株価先物買いで急上昇したが、彼らの先物売りが先導して日経平均は6/17の株価近辺まで急落した。 ・日経平均は「調整局面入り」とされる▲10%安を、直近高値から▲10.8%安と割り込んでしまった。
3)株式相場は短期的にいったんアク抜けの動きがありそう ・要因 (1)円相場が円高進行から激しい日経平均の下げとなったが、円安に反転し、株価にプラスとなる可能性。 (2)NYダウの7/26大幅反発で、日経平均との差が▲2,922と広がりすぎて、日経平均に割安感が出た。 (3)日経平均は8日連続の記録的な下げとなり、いったんはアク抜け感が広がる可能性がある。
・防衛・電力・輸出関連株に買い戻しが入ってくる可能性がある。
4)さすがに8日続落すれば、値ごろ感から自律反発が予想される ・きっかけは、円相場は円高進行が止まり、円安方向に転じたこと。 ・円相場の推移 7/17 158.06円 7/25 152.77 7/26 153.57 7/26 153.775(米国時間)
5)ストキャスティクス(テクニカル分析でも反転のエネルギー高まる) ・ストキャスティスの推移 7/11 7/17 7/26 RSI(14日) 89 65 24 FAST 94 47 1 SLOW 91 65 1 日経平均 42,224円 41,097 37,667 ・ストキャスティクスは7/11に天井圏にあったが、日経平均の高値圏からの急落を背景に、最低値まで下落した。この指数の低さは、株価が反転して上昇する可能性を示唆。
6)米国NYダウとの比較で、日経平均は自律反発する可能性 ・7/26の主要株価指数 NYダウ 40,589ドル 日経平均 37,667円 差異 ▲2,922 ・日経平均は7/26、NYダウに対して「割高感が消滅」。自律反発の芽が生まれる。
7)今週の日銀・金融政策決定会合が注目