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成長階段に? 金利動向にプロパティの株価は安値圏内に

財経新聞 2024年8月12日 16時33分

 property technoloogies(東証グロース。以下、プロパティ)。プラットフォーム「KAITRY」を介して中古マンションや、リノベーション済み中古住宅・戸建て住宅の販売を展開している。

 2022年12月13日に上場。公開価格2950円に対し35%近く高い初値:3980円で生まれた。が、本稿作成中の時価は760円水準。年初には1246円だった株価が4割方水準を下げ年初来安値の株価水準で方向感を失っている。時価の予想PERは5.67倍。

 収益動向株価の変化は、如実に反映されている。こんな状況。21年11月期「11.6%増収、61.8%営業増益」、22年11月期「31.3%増収、39.7%営業増益」。それが23年11月期は「4.7%の減収、43.8%の営業減益」。そして今11月期計画は9.3%増収(404億円)も「7.2%営業減益(12億3000万円)」。

 上場に際し濱中雄大社長は目的を「B to Cビジネスを展開する上の信用力」とした上で、プロパティの「特徴」「今後」の強化を次のように具体的に言及した。

 ★同社は「KAITRY」の売りたい物件に関し、独自のAI査定の導入をセールスポイントとしている。HPを覗くと「最短5秒で」という文言に出会う。(上場で手にした)資金で、買い取りAIサイトの充実を図る。

 ★リノベーション施工の充実。現状では外部企業との連携を行っているが、内製化体制を進めたい。そのためには、M&Aも選択肢とする。

 AIによる買い取りサービス物件を軸に据えながらも、諸々の体制整備にも注力している。例えば、「先日付買い取り保証」。仲介で一定期間売れなかった場合、あらかじめ取り決めていた額で不動産会社が買い取るという枠組みだ。

 この種の事業の一方のポイントは、KAITRYでどのくらいの物件数が検索できるかであることは断るまでもない。「買いたい」需要を満足させるだけの物件数がそこに存在しなくては、顧客は集まらない。現状では、10万棟・639万戸以上のマンション情報が検索できるという。

 が、俄かに雲行きの「?」を示したのは東日本不動産流通機構(東日本レインズ)。「2022年12月から23年5月における首都圏中古マンションの成約件数は前年同期比374件(2.1%)減、在庫件数は7491件(20.3%)増」とした。

 対してプロパティは23年3月に京都支店を開設。全国主要都市に14拠点を配し強気の姿勢を示していたが、前期決算を「日本銀行による長期金利の変動許容幅の引き上げによる住宅ローン金利の上昇懸念や、建設資材価格の高騰、人手不足による人件費高騰などが収益構造に大きく影響を及ぼしている」と説明した。

 さて・・・

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