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百貨店などの紙袋で首位、ザ・パックは隠れた?有力企業

財経新聞 2024年9月9日 16時39分

 ザ・パック(3950、東証プライム)。「知られざる超有力企業」と言ったら失礼か。(百貨店・専門店向けなど)紙袋で首位。

 当家の同居人などは有名店や洒落た紙袋は、しまいこんでいる。「どんなものを人にあげるのでも、袋いかんで受け取る側の気持ちが違うものよ」などと賜わりながら・・・。言い換えれば紙袋は「企業にとって、格好のPR」となる。ちなみにザ・パックの取引先企業は1万4000社余りに及ぶ。

 収益動向が、有力/優良企業ぶりを示している。2020年12月期こそ「17.9%減収、52.2%営業減益」も、好財務体質(利益剰余金654億800万円、有利子負債2800万円)を反映し5円増配60円配。

 以降の営業増益率は「26.6%/44.1%/29.7%」、前期末の配当は90円。そして今24年12月期も「3.4%の増収(1010億円)、4.6%の営業増益(81億円)、13.2%の最終増益(64億円)、28円増配118円配」計画で立ち上がり、第2四半期を前年同期比「3.9%増収、18.4%営業増益、40.6%最終増益」で通過している。

 事業セクターは、「A:紙加工品(紙袋・紙器・段ボール等/総売上高の7割余)」「B:化成品事業(衛生用紙・おむつ・ナプキン用製品)」「C:その他事業」。前期の収益状況を覗き込むと、こんな状況。

 「A」: 国内の個人消費や観光需要の回復継続を軸に、13.0%の増収。  「B」: 紙おむつ用製品や食品向け軽包装の好調継続。通販や専門店向け販売も順調。  「C」: コロナワクチン関連の販売減を、専門店向け縫製品や不織布バッグの好調でカバー。

 至2025年12月期の中計では「売上高1070億円(22年度実績890億円)、営業利益70億円(59億円)」を掲げている。自信のほどは、こんな計画からも見通せる。「人員(パート等含む)を1797人から1920人に増やす」「女性社員比率を21.2%から25.0%に/女性管理職(課長以上)比率を7.6%から10%に引き上げる」。

 1878年創業。悠に1世紀を過ぎた知恵者企業。紙器需要の掘り起こしに「菓子類詰め合わせサービス開始」「EC用クラフト紙使用の小型宅配袋強化」などを打ち出し、歩みを止めない。

 そんなザ・パックの本稿作成中の株価は、3700円台終盤。予想税引き後配当利回り2.5%余。7月に4145円まで買われた後、大揺れ相場の中で8月5日に3205円の年初来安値。戻り基調。好配当利回りを享受する姿勢が賢明か・・・

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