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鎌倉新書が続けている「今は亡きあの人へ伝えたい言葉」コンテストの、意義を噛みしめたい

財経新聞 2024年10月4日 9時25分

 葬儀・仏壇・墓のポータルサイトを運営する鎌倉新書(6184、東証プライム)から9月26日、『第9回「今は亡きあの人へ伝えたい言葉」コンテスト結果発表&イベント予告』と題するリリースが届いた。

 コンテストが始まったのは2010年。最初に「無縁社会が話題となっていた年だった。亡き人への想いを馳せることで人と人とのつながりを感じられるきっかけになってほしい、という想いからスタートし、応募者の人生に触れ、あの人に伝えたい言葉として手紙の形で募集を続けてきた。これまで1万5000通を超える手紙が集められている。

 私たちは大切な手紙を多くの人に読んでいただくことで、誰かの悲しみを癒したり、背中を押したりすることができると考えている。人と人との関係が希薄になりがちな現代だからこそ、悲しみに寄り添い、共感することが、その後の人生を歩む手助けになると信じ、この活動を続けていく」と、運営体の想いが記されていた。

 私は今年5月に2歳年下の弟を失い、7月に父親をあの世に見送った。弟の死には「痛み」を覚え、父の死には「お疲れさま」という想いを感じた。が斎場の焼却炉に棺が送り込まれ扉が閉められた時に、口を突いて出た言葉は「あばよ!」だけだった。

 喪主としての事後処理に時間を取られ、二人に「伝えたい言葉」を考え始めたのはつい最近。それだけにコンテストの応募者が「どんな言葉を送っているのか」に興味を覚えた。

 金賞・銀賞・銅賞・佳作82作品が選ばれ、そのうち金・銀・銅賞の作品を読むことができた。

 銀賞の1作品の島みずき氏の『文字から聞こえる声』と題する手紙を読み、久方ぶりに“涙が止まらない”状況になった。23歳になり、兄が天国に旅立った歳と同じになった彼女の作品である。

 ガンを患った兄を理解し得なかった悔い、旅行ができなくなった兄に「せめて計画だけでも立ててあげたかった」という想い・・・などが記されていた。そして兄が残した手紙が「今の私の支えとなっている」という構成。

 審査員も務めた一人:フリーアナウンサーの堀井美香氏により、12月初め朗読イベントなども予定されている(詳細は後日配信)という。おそらく涙なくしては聞けないだろう・・・が、参加してみようと思う。

 人と人のつながりが疎遠になっている今だからこそ「伝えたい(贈りたい)言葉」が重要さを増す。真に伝えたい言葉を身に着ける機会として、読者諸氏にも参加を促したいと考える。

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