コンビニエンスストア大手のファミリーマートは、全国の店舗で順次、イートインスペースを削減する方針を明らかにした。品ぞろえの拡大に向けて売り場を拡張するためで、限られたスペースを売り場に特化させ、売り上げの拡大を目指す。
ファミリーマートは、購入した商品をその場で食べるスペースとして2013年から全国の店舗にイートインを設け、現在約7,000店に設置されている。しかし、コンビニエンスストアはスーパーやドラッグストアなどに比べ、狭い店舗で売り上げを上げなければならない。コロナ禍後、需要が拡大している商品もあるが、売り場の増設が困難な一面があった。
さらに、イートインスペースがほとんど使用されていない店舗があるうえ、2019年に消費税に軽減税率が導入された結果、テイクアウトだと8%の消費税率がイートインを使うと10%になるようになり、利用を嫌がる来店客も出ている。
店舗側から見ると、イートインスペースは弁当や総菜を食べる場所がない人に購入のきっかけを与える役割を果たしてきたが、その効果で得られる利益はそれほど大きくないといわれている。むしろ、ドリンク1杯で長居する客は店内の回転を速くすることの妨げになるとの声もある。
ファミリーマートは撤廃したイートイン跡を、売り上げが伸びている「コンビニエンスウエア」などの衣料品、洗剤、トイレットペーパーなど日用品売り場に転換する方針だ。2024年度中に約2,000店で撤廃を進めて効果を検証、それぞれの店舗に最適な売り場構成を目指し、3年後をめどに各店舗で売上高を5~7%引き上げたいとしている。また一部の店舗では、イートインも継続する。