■I.米国株式市場
●1.NYダウの推移
1)9/30、NYダウ+17ドル高、42,330ドル 2)10/1、NYダウ▲173ドル安、42,156ドル 3)10/2、NYダウ+39ドル高、42,196ドル●2.米国東海岸で10/1から港湾スト、1日当たり数十億ドルの経済損失も(ロイター)
1)米国商工会議所のスザンヌ・クラーク会頭は、バイデン大統領に対して、「タフト・ハートレート法」を発動してストを80日間阻止するように求めた。これに対してバイデン氏は9/29、ストに介入するつもりはないと表明した。■II.中国株式市場
●1.上海総合指数の推移
1)9/30、上海総合+248高、3,336 2)10/1、祝日「国慶節」で休場 3)10/2、祝日「国慶節」で休場●2.中国製造業、5カ月連続で景気判断の節目50を下回る、景気減速一層鮮明に(TBS)
1)中国国家統計局の発表によると、9月の製造業の景況感を示す指数である製造業PMIは49.8となった。前月から+0.7上昇したが、景気の良し悪しを判断する節目の50を5カ月連続で下回った。■III.日本株式市場
●1.日経平均の推移
1)9/30、日経平均▲1,910円安、37,919円 2)10/1、日経平均+732円高、38,651円 3)10/2、日経平均▲843円安、37,808円●2.日本株 : 石破政権は新鮮味なく短命?挙党体制組まず、石破発言はブレまくり
1)日経平均の動向 ・石破氏勝利で9/27は円高となったが、パウエルFRB議長の発言を受け9/30は米国市場で円安に転じた。これを受け、10/1の日経平均は輸出関連株を中心に買いが入り反発した。10/1終値は前日比+732円高と反発率は+38.5%。 ・翌10/2の日経平均は▲843円安、円相場が143円台と円高に転換し、輸出関連株が下落。前日の米国で半導体関連株下落が波及し、東京市場でも半導体株が反落した。2)石破・政権に新鮮味なし、党内多数派形成できず短命政権か、相場には逆風内閣か ・岸田政権の「新しい資本主義」を踏襲すると発言した。 ・岸田・前総理は、苦し紛れの経済政策として「新しい資本主義」を唱えた。そして、中味は最側近の木原誠二議員に丸投げも、国民には解答得られず。 ・題目だけで中味のない「新しい資本主義」を石破首相は、どのように継承するのか? 不思議な発言である。 ・石破首相は内閣の特色を「納得・共感内閣」と自己評価したが、早くも「不納得・不共感内閣」と反発する声が聞かれた。
3)石破内閣の概要 ・身内・防衛・後ろ盾となった派閥を軸に閣僚・自民党幹部に優先した人事 ・初入閣は13人(閣僚数は首相を除いて19人)。 素人大臣が多く、国会答弁などで立ち往生も予想。 ・無派閥から過半数の11人。 ・女性の登用は2人だけ。
・閣僚選任基準 ・身内のヒイキ ・「論功賞」 ・総裁選で石破氏の推薦人から6人。 ・防衛大臣経験者を優遇 ・自民党・政調会長の小野寺議員を含めると、防衛族は4人。 ・外務大臣も防衛族であり、防衛・外交の関係強化の可能性。 ・40歳台の若手ゼロ ・閣僚はいずれも衆院では5回以上、参院では3回以上の当選者に限定。 ・無派閥議員が過半数となるが、主要派閥から各2名選出するなど派閥に配慮 ・ただし、安倍派からはゼロと配慮に鮮明な格差をつけた。 ・安倍晋三氏を「国賊」と呼び、役職停止1年となった村上議員を重要閣僚である総務大臣に任命した。 ・かつて、安倍晋三氏は自民党総裁を争った石破氏を幹事長に起用して挙党体制を構築した。しかし、今回の総裁選後、石破・総裁は高市氏を幹事長に迎えず。むしろ、高市氏を閣僚・党重要人事で囲い込まずに、野に放った。もちろん、高市氏の推薦人からの閣僚登用もゼロ。 ・後ろ盾となり、決選投票で派閥議員票をまとめた岸田氏に最敬礼 ・決選投票で支持に回った岸田氏をキングメーカーにして、岸田派優遇を明快にした。 ・最重要ポストの官房長官に岸田派の林氏を再任。 ・岸田路線の継承も宣言した。
4)ブレまくる石破発言 ・原発利用ゼロ ・自民党総裁選挙時までは、石破氏は「原発利用をゼロに近づける」と発言。 ・10/2、武藤・経産相は「今は訂正されていると承知している」と否定。
・日銀の利上げ容認 ・自民党総裁選時は、日銀の立場を「尊重」する、日銀は「別会社」とも発言。安倍・元首相は日銀を「子会社」とみなしたが、私は違う認識としていた。 ・日銀総裁と10/2に面会し、「追加利上げの環境あるとは考えていない」と発言した。日銀総裁の任命権者である首相の発言となれば、日銀総裁は「指示」と受けとめるだろう。 ・石破首相が利上げに慎重姿勢に転換し、NY市場で円相場は146円台に下落。日経平均先物は円安進行で上昇。
・衆院総選挙を早期解散実施 ・自民党総裁選挙時には、石破氏は「選挙前に国会の予算委員会での議論を通じて、国民に判断材料を提供してから、選挙する」と発言。そして、11月選挙を示唆した。小泉進次郎氏の早期解散選挙論に対しても、否定的な発言を繰り返した。 ・自民党総裁に選任されると、石破氏は「早期解散」と発言。早期解散への転換した説明を記者から求められても、無視して説明。 ・能登半島の豪雨被害対策予算も審議せずに、予備費で対応し、解散を優先。
・憲法違反となる解散権行使の発言 ・憲法で衆議院の解散権は総理大臣に付与されている。総理大臣以外には「解散権はない」。 ・総理大臣に選任前の9/30、自民党総裁の立場で「衆議院解散する」発言。「解散日は10/9、公示日は10/15、投開票日は10/27」と明言した。 ・総理大臣選任前の自民党総裁の立場での「解散発言」は許されない。
・裏金議員の党公認問題 ・総裁選挙前までは「公認しない」と発言。 ・総裁選挙では「すでに、けじめをつけた」と訂正発言。
5)今日10/3は、円安進行で日経平均高と予想 ・円安要因は、 (1)石破首相の日銀総裁との会談で「利上げをする環境でない」発言。 ・円相場は、143円台⇒145円台へと円安に急伸。 (2)米国ADP雇用の経済指標発表を受けて、円相場は146円台へと円安が加速。 ・10/3の東京株式相場は円安の急伸を受け、日経平均の大幅高を予想する。
●3.世論調査10/1~2、石破内閣の支持率50.7%、裏金議員は公認否定75.6%(共同通信)
1)石破内閣の不支持率28.9%。 2)衆議院解散前の国会での予算委員会の開催は72.7%が必要、必要なし20.9%。●4.石破内閣の支持率51%、首相の人事は「評価しない」43%・「評価」35%(読売新聞)
●5.トヨタ、空飛ぶ車開発に追加出資、米国振興企業ジョビーに730億円(共同通信)
●6.ソフトバンクG、対話型人工知能(AI)「チャットGPT」を運営する米オープンAIに5億ドル(約700億円)を出資(ロイター)
■III.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)
・2685 アダストリア 業績堅調。 ・6856 堀場製作所 業績堅調。 ・7180 九州フィナンシャル 業績回復期待。執筆者プロフィール
中島義之 (なかしま よしゆき)
1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。
現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。
メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。
発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。http://note.com/soubatennbou