三菱地所は名古屋市中区の商業施設「セントラルパークアネックス」、オフィスビル「桜錦ビル」跡地を一体で再開発する「(仮称)錦三丁目5番街区計画」(中区錦)に着工した。7日には現地で起工式があり、2026年11月末の完成を目指す。
施設は鉄骨一部鉄筋コンクリート、コンクリート充填鋼管地下1階、地上13階建て延べ約2万4,000平方メートル。セントラルパークアネックスと桜錦ビルの跡地計約2,200平方メートルを一体開発し、高さ約60メートルのオフィス、商業の複合施設を建築する。名古屋市営地下鉄名城線、桜通線の久屋大通駅、地下街のセントラルパークとは、地下1階で直結する。
オフィス部分の階当たり床面積500平方メートル以上、床面積合計5,000平方メートル以上の基準を満たす高品質オフィスの整備で、名古屋市の名古屋駅・伏見・栄地区都市機能誘導制度を活用するほか、地下鉄利用者の地上への円滑な動線を確保し、地域のにぎわいと回遊性向上に貢献する狙いもある。
施設内に設けるオフィス就業者用ラウンジの床には、国産材を使った三菱地所など開発の木製新建材を活用。国内林業の振興にひと役買うとともに、東南海地震など大規模災害が起きた際に帰宅困難者を受け入れることができる機能を持たせ、防災拠点としても利用する。
セントラルパークアネックスは1986年、中部地方初出店の東急ハンズ(現ハンズ)を核店舗に物販、飲食など約80店を集めて開業した12階建て商業施設。名古屋市を代表する繁華街・栄地区の北端に位置して地域の集客拠点になる一方、1987年に名古屋都市景観賞を受けるなど建築物として高い評価を受けたが、老朽化もあって2021年10月で閉館した。