ストライク(6196、東証プライム)。M&Aの仲介業者。中小企業の事業承継が主体。改めてその収益力を見せつけられた。
2018年8月期から前23年9月期(21年9月期は決算に変更に伴う13カ月決算を含む)までの平均増収率・営業増益率は、「28.67%、26.85%」。毎期増配。
今9月期は「31.8の増収(182億1800万円)、35.3%の営業増益(70億3700万円)、11円増配62円配」で立ち上がり、7月30日に配当を85円に増額修正。開示済みの第3四半期実績は「132億7200万円、49億8600万円」。前年同期比45.3%増収をストライクでは「大型案件効果。成約件数も前年同期比39件の83組」と説明し、「通期計画を上回る予想」としている。
一口で言えば、事業承継が進んでいない現状が好収益の背景と言える。こんな現状が指摘されている。
*承継が進まない理由: 後継者の資金不足、そもそも後継者が少ない。
*2025年問題: 経営者の平均年齢が60歳を超えている。経産省の調べでも70歳以上の経営者が245万人。そのうち半分の127万人が後継者未定状況。伴う廃業・倒産の危機。今後10年で260万社が黒字廃業の危機にある。
*ストライクの推定: 継承の遅々たる状況は2025年までに累計で約650万人の雇用、約22兆円のGDPが失われかねない。
*道: M&A。自らもM&Aを手掛け、かつその動向を調査しているレコフでは「M&Aの件数自体、事業承継絡みは増加傾向にある」とし、「事業引継ぎ支援センターの成約実績」をこう予想している。「2030年度には23年度に比べ30倍近くになろう」。
そして規模別M&Aマーケットの現状を「大規模企業(約1万社)」「中規模企業(約56万社)」「小規模企業(約325万社)」とし、小規模ディール(年商3億円以下の企業)の場合仲介手数料1000万円未満と位置付けている。ストライクの主要市場だ。
本稿作成中の時価は4000円台半ば、予想税引き後配当利回り1.53%。8月5日の過去最大の下げ相場で3005円まで付き合った後の戻り過程。2016年6月22日の上場初値1295円で買い保有していると、修正済み株価パフォーマンスは約3.43倍。IFIS目標平均株価は算出者3人が「強気」の7600円。どう対応するかはご自身で判断を・・・。
中小型規模企業のM&Aへの対応策には、未だ手を緩めていない。FUNDINNOと業務提携した。同社の子会社はベンチャー企業などの成長支援コンサルや人材派遣を手掛けている。