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9月のパート・バイト時給は上昇続く、最低賃金改定が影響

財経新聞 2024年10月18日 16時39分

 求人サイトを運営する各社が9月度のパート・アルバイト時給動向を発表。リクルートとマイナビで過去最高時給を更新するなど、最低賃金改定を背景に多くの職種で時給の上昇傾向が続いていることが分かった。

■リクルートは過去最高時給を更新

 15日、リクルートの調査研究機関『ジョブズリサーチセンター』が9月の「アルバイト・パート募集時平均時給調査」を発表した。3大都市圏(首都圏、東海、関西)の平均時給は前年同月比32円増の1,193円となり、41カ月連続で前年同月を上回った。さらに2月の1,192円を超えて過去最高時給を更新している。

 地域別では首都圏が同29円増の1,230円、東海が同43円増の1,119円、関西が同31円増の1,159円となり、3地域とも前年を上回る状況が続いている。

 「販売・サービス系」は3カ月連続で最高時給を更新。「フード系」「製造・物流・清掃系」も過去最高時給を更新した。最低賃金改定額が確定したことで、先行して時給をアップした企業の影響があり、独自のインセンティブやパートやアルバイト向けの賞与を支給する待遇改善が行われているという。

■ディップは45カ月ぶりに前年下回る

 同日、ディップが9月の「アルバイト平均時給調査」を発表した。全国平均時給は前年同月比2円減の1,334円となり、45カ月ぶりに前年同月を下回った。アルバイト・パートの求人件数は同8.6%増の約318,000件だった。

 地域別では関東が同60円増の1,413円、東海が同109円減の1,204円、関西が同25円減の1,300円、九州が同30円増の1,381円と明暗が分かれた。

■エン・ジャパンは23カ月連続で前年上回る

 同日、エン・ジャパンが9月の「アルバイト・パート募集時平均時給調査」を発表した。全国平均時給は前年同月比101円増の1,240円となり、23カ月連続で前年同月を上回った。

 エリア別では関東が同144円増の1,368円、東海が同153円増の1,368円、関西が同20円増の1,304円となり、3地域とも時給がアップした。

 年末年始の繁忙期を控えて人材募集に力を入れる時期となったことで、飲食や運輸業界で時給が上昇傾向。今後も最低賃金改定を背景に、時給の高騰が予想されるという。

 職種別は全10職種で平均時給が前年同月を上回った。その中では販売・サービス系が1,298円(前年同月比:83円増、以下同じ)、運輸・配送・軽作業系が1,312円(177円増)、クリエイティブ系が1,287円(72円増)、教育・その他が1,365円(83円増)で伸び幅が大きめ。反対に営業系が1,448円(5円増)で伸び幅が小さめだった。

■マイナビは2カ月連続で過去最高時給を更新

 16日、マイナビが9月の「アルバイト・パートの平均時給レポート」を発表した。全国平均時給は前年同月比55円増の1,266円となり、25カ月連続で前年同月を上回った。さらに8月に続いて2カ月連続で過去最高時給を更新している。

 地域別では、北海道・東北が同51円増の1,114円、関東が同60円増の1,344円、甲信越・北陸が同18円増の1,129円、東海が同32円増の1,190円、甲信越・北陸が同5円増の1,113円、関西が同61円増の1,296円、中国・四国が同31円増の1,106円、九州・沖縄が同24円増の1,130円と、全ての地域で前年同月を上回った。

 「2024年問題」に直面した「配送・引越・ドライバー」の時給は2024年に入って過去最高時給の更新が4回目となり、求人数も前年同月比で1.90倍となっている。また「飲食・フード」「販売・接客・サービス」も過去最高額となった。一方で「イベント・キャンペーン」「軽作業」では複数職種で時給が8月からマイナスとなっており、秋に入って人材需要が落ち着いた様子という。

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