日本百貨店協会と日本ショッピングセンター協会が9月度の売上高を発表。円安や2度の3連休により来店客が増加したことで、どちらも売上が好調だったことが分かった。
■百貨店は31カ月連続で前年上回る
25日、日本百貨店協会が9月度の全国百貨店売上高概況を発表した。売上高は前年同月比(店舗数調整後)2.3%増の4,229億2,410万5,000円となり、31カ月続で前年同月を上回った。また新型コロナ前となる2018年比は4.4%増だった。残暑で秋物商材の売れ行きは鈍かったものの、UVケア商品など夏物需要に加えて、引き続き高付加価値商材とインバウンド需要が好調。さらに下旬から気温が低下したことで、衣料品など秋物商材が動き始めた。
■大都市は札幌、京都、福岡が好調
大都市では10都市中8都市で前年同月を上回った。その中では札幌(前年同月比:6.7%増、以下同じ)、京都(7.4%増)、福岡(7.0%増)で好調。反対に東京(0.6%減)と広島(17.2%減)が前年同月を下回った。都市以外の地区別では明暗が分かれており、東北(1.0%減)、中部(3.0%減)、中国(1.6%減)が前年同月を下回った。関東(1.0%増)、近畿(6.0%増)、四国(2.5%増)、九州(2.7%増)で前年同月を上回っている。
商品別で好調だったものは、化粧品(10.2%増)、美術・宝飾・貴金属(7.1%増)、家具(13.2%増)、家電(24.7%増)など。反対に不振だったものは、その他衣料品(2.6%減)、その他雑貨(7.4%減)、生鮮食品(3.8%減)、サービス(11.2%減)などだった。
■3連休でショッピングセンターも売上好調
同日、日本ショッピングセンター協会が9月度のSC販売統計調査報告を発表した。売上高は前年同月比7.3%増の5,783億677万1,000円となり、百貨店同様に31カ月連続で前年同月を上回った。3連休が2度あったことで旅行客などの来館が多く、飲食やサービスが好調。百貨店と同様に、月前半は残暑により夏物商材の売れ行きが好調に推移し、月の後半は気温が低下したことで、ニット商品やカーディガンなどの秋物商材が動き始めた。
■仙台、東京区部、大阪、福岡が好調
売上のうち、テナントが前年同月比8.2%増の4,514億9,117万9,000円、キーテナントが同4.2%増の1,268億1,559万2,000円となり、どちらも全体同様に31カ月連続で前年同月を上回った。8月に続いて、大都市とその他の地域は全て前年同月を上回っている。大都市では、仙台市(前年同期比:9.2%増、以下同じ)、東京区部(9.1%増)、大阪市(9.7%増)、福岡市(13.6%増)で大きく伸びた。その他の地域では、関東(7.5%増)、中部(8.7%増)、中国(9.7%増)、九州・沖縄(9.4%増)の伸び幅が大きめだった。