●大谷翔平選手の経済効果は1181億円
関西大学は10月7日、同大の宮本勝浩名誉教授が、米大リーグのロサンゼルス・ドジャースに所属する大谷翔平選手の2024年の経済効果を試算したところ、1168億1181万円に達したとの結果を発表した。大谷選手は今シーズン、エンゼルスからドジャースに移籍し、10年総額7億ドル(約1071億円)のMLB史上最高額で契約を結んだ。
一部のファンや投資家などからは、「払い過ぎ」との声もあったが、今や「バーゲンセール」などと手の平を返す声も少なくない。
2024年のワールドシリーズは、43年ぶりとなるニューヨーク・ヤンキースとの名門対決としても注目度が高い。
50-50を達成し、様々な伝説を作っている大谷選手が、日米に大きな経済効果ももたらしている。
●大谷選手がもたらした経済効果
移籍1年目ながら、今季ホームでの観客動員大幅増に貢献。その数は400万人を突破し、人気球団のヤンキースよりも60万人多い。本拠地・ドジャースタジアムは日本企業の広告で埋まり、広告収入は約13倍となった。ロサンゼルスを訪れる日本人観光客の8割は、1度はドジャースタジアムを訪れているとも報じられている。
ドジャースにおける大谷選手の経済効果は、約865億円と試算され、2023年の阪神タイガースリーグ優勝による経済効果、約872億円を大谷選手1人で超えたことになる。
●株価にも影響?スウィフトノミクスとの比較も
2023年のWBCでは、大谷選手の活躍により大谷工業の株価が連日ストップ高を記録するなど急上昇したことが話題になった。今年も50-50達成で同社の株価は8%上昇した。大谷選手をCMで起用している企業も大きな恩恵がある。
スキンケア商品で大谷選手を起用しているコーセーや、人材サービスのディップも株価が上昇している。ディップは大谷選手の起用により、YouTubeの動画再生回数は570万回を超えた。
「おーいお茶」のパッケージに大谷選手の写真を掲載している伊藤園は、広告費の高騰などで株価は下落しても、米国での販売数増に期待がかかる。
大谷選手と長期のエンドースメント契約を結んだニューバランスも、大谷効果でさらなる増収が見込まれる。大谷選手1人で多くの企業の業績や株価に影響を及ぼしている。
著名人1人での経済効果で言うならば、米人気歌手のテイラー・スウィフト氏の世界各国での公演も、スウィフトノミクスとして大きな経済効果を期待されている。
しかし一部の専門家には、一過性であり消費パターンには持続的な影響はないという見方もあり、オオタニノミクスも同様である可能性も高い。