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オフィス家具・店舗什器首位:オカムラのモノづくり遺伝子はオートマ車開発に顕著

財経新聞 2024年11月5日 9時15分

 オカムラ(7994、東証プライム)。オフィス用家具でコクヨと双璧、国内最大級。商環境事業(ドラッグストア、スーパー等向けの店舗用什器)では、国内トップシェア。物流事業にも注力している。

 数年前になるがホテルニューオータニにあるショールーム(ガーデンコート棟/タワー棟双方にある、計1000坪規模)を、見物に出かけたことがある。「よくもこれほどの品物を創ったものだ」、と驚かされた。

 現場のスタッフは「うちにはモノづくりのDNNが脈々と受け継がれているので」と、誇らし気に語った。「何故、そんなものまで作り出したのか」は聞き漏らしてしまったが「トルクコンバータ(オートマチック車に搭載する装置)」の生産を1951年に始め、1955年には日本初のオートマチック車を開発していることなどを知った。

 淀むところのない着実な収益の積み重ねが進んでいる。世の中がコロナ禍に右往左往した2021年3月期も「在宅勤務需要で」と記してしまうのは易しいが、3.4%減収も5.9%営業増益。以来前3月期まで「6.8%増収、12.7%営業増益/6.1%増収、8.8%増益/7.1%増収、38.4%増益/32円配当が86円配まで拡幅」。そして今3月期も「3.9%の増収(3500億円)、4.0%の営業増益(250億円)、4円増配90円配」計画。

 至26年3月期の中計も上方修正され、「売上高3250億円以上、営業利益270億円、配当性向40%以上」。

 こうした着実さは「着実な歴史で手中に収めたNO1企業ならでは」であろうが、覗き込んでいく中で「ソリューション営業」が武器として浮上してきた。

 オカムラの事業領域は前記の通り、「オフィス環境事業」「商環境事業」「物流システム事業」。が各事業で実績を生かしたソリューションが、売上・利益を向上させている。

 例えばオフィス環境事業では「フリーアドレス(自由な席で仕事ができる)」「Web会議」適応。その為に「ICT導入」を提案する、といった具合。

 例えば商環境事業では、ドラッグストア向けの陳列コーナーの提案。過去の実績(成功例)を基に陳列レイアウトを示す。結果、事業獲得に繋がる。

 目下注力している物流システムは1978年に世界初の「多投式独立水平回転棚」の開発が入り口。その後の販売拡充の中で蓄えた「ソフトウエア開発」「運用支援」「アフターサービス」が、注力の武器になっている。

 健康経営優良法人(ホワイト企業)賞を連続して受賞しているオカムラの株と、どう付き合うか。本稿作成中の時価は1900円台入り口。予想税引き後配当利回り3.7%余。過去10年近くの修正済み株価パフォーマンスは、2.25倍。IFIS目標平均株価2600円。時価の予想PER8.6倍を勘案すると、おのずと対応法は浮かんでくるとは思うが・・・

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