竹内製作所(6432、東証プライム)。ミニショベル主体の建機中堅。クローラーローダー(タイヤ駆動の建機の足回りをクローラー式/無限軌道式にし、不整地やぬかるんだ場所での建機作業の安定性を高めた)を世界で初開発。
好収益ぶりが目を引く。2021年2月期から前24年2月期の営業増益率は「4.4%/34.5%/19.5%/66.3%」。そして中計最終年度となる今25年2月期も期初計画を円安効果もあり早々に「26.1%の営業増益(445億円)」に上方修正。予想通りの推移で着地すれば、中計を上回る結果となる。かつ2020年2月期に50円だった配当は毎期の増配で今期予想は200円配。
1963年に現代表取締役会長の竹内明雄氏によって、建機業として設立。「ツルハシを使った手作業に変るミニショベルカーを作って欲しい」という知人の要請に応じたのが、小型建機で世界的企業になる入り口だった。その功績は、例えばこんな形で評価されている。
昨2023年11月30日に開催されたAEM(米国機械製造業協会)の年次総会で、90歳を超えた竹内氏がAEMの殿堂入りを認められた。アジア人として初の殿堂入りである。それはミニショベルにはじまり、クローダーローダー、リチウムイオン電池式電動ショベル等々の開発の先頭に立った竹内氏への意義高い褒美だった。殿堂入りに際し、AEMのMegan Tanel代表はこうコメントしている。
「2008年以降、AEMではオフロード機器業界で顕著な功績を残した個人を顕彰し、殿堂入りに迎え入れてきた。この素晴らしい功労者達の殿堂に、竹内明雄氏を迎えることができて嬉しく思う。彼の革新性と創造性は、生産性、持続可能性、経済的・社会的繁栄の向上という当業界のコミットメントを継続するよう、次世代を鼓舞してきた」。
市場が欧米にも確たる基盤を有していることは、前期末の決算に容易に見て取れる。
<日本>: 前期比24.3%増(754億400万円)、132.6%営業増益(307億2400万円)。 <米国>: 16.9%増収(1151億8300万円)、9.8%営業増益(108億7000万円)。 <英国>: 0.0%増収(121億3100万円)、17.2%営業減益(9億1200万円)。 <フランス>: 30.2%増収(97億9400万円)、42.5%営業増益(9億7200万円)。
本稿作成中の時価は5000円台出入り水準。予想税引き後配当利回り3.25%弱。5月に6700円まで買い進まれた後の調整場面で、8月5日に3560円まで値を消したが着実な戻り基調。予想PER8倍弱と過熱感はない。過去10年近くの修正済み株価パフォーマンスは、3倍超。中長期で対応するのが賢明か・・・