ハークスレイ(7561、東証スタンダード)。主要事業部門は、「ほっかほっか亭の中食事業」「菓子類の製造・卸販売中心の物流・食品加工事業」「店舗リースや人材紹介などの、飲食店舗事業者向けソリューション事業」。
足元の収益動向は好調。2023年3月期の「33.4%営業増益、7円増配18円配」に続き前3月期も、「66.8%営業増益、6円増配24円配」。そして今3月期も「4.8%の増 収(490億円)、0.6%の営業増益(24億5000万円)、12.4%の最終増益(18億円)、2円増配26円配」計画で立ち上がった。
中間期の営業利益は、前年同期比15.3%増の10億2800万円。収益構造が下期型なのは分かるが、通期予想の据え置きには違和感を覚えた。IR室長:荻田修氏に「違和感」をぶつけた。「中食部門の減、店舗ソリューション部門の不透明感」と説明したが、その上で「保守的であることは否定しない」と続けた。
ハークスレイは事業構造の転換期を迎えている。それは、24年3月期決算の内実に明らか。中食事業は売上高比率こそ33.8%も、営業利益構成比は6.9%に止まっている。対して店舗ソリューション事業は31.5%、52.3%/物流食品加工事業は32.9%、17.9%。
確認する為に、荻田氏に至2028年3月期の中計に関し注目したい点を質した。計画は「売上高720億円(24年3月期比54.1%増)、EBITDA56億円(47.4%増)、純益25億円(56.3%増)」と、いずれも過去最高水準。
そして興味を惹かれたのは「累積で178億円の投資を実施。うち120億円をM&Aに投じる」という点。既に今春、餃子・春巻きなど冷凍・チルド食品のホソヤコーポレーション(売上規模約73億円)を傘下に収めている。
前後して青木達也会長が、「例えば年商50億円規模の企業を年に3社買収すれば、3年で900億円の売上高の上乗せが可能」といった発言を知った。M&Aを仕掛けていく業態は?・・・。
荻田氏は、「食品加工・物流業者を主体に、と捉えて頂ければ」とした。
ハークスレイ=ほっかほっか亭の認識では、これからのハークスレイは把握しえない。事業構造が正しく認識されなくては「配当性向20%を下限に、前年度下回らない配当・増配」とアッピールしても、極論すればそれだけでは投資家を惹きつけることはできない。 現に株価動向がそれを示している。
本稿作成中の時価は670円余。転換期のIR活動が徐々に浸透し始めた結果だろう。が今年初めの年初来高値1015円には未だ遠く届かない。