●バフェット氏が22年ぶりに債券投資家へ
日本経済新聞によると、著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイ社が、株式投資よりも債券投資を増やしているという。債券投資額が3000億ドル(45兆円)を超える一方で、株式投資額は3000億ドルを割り込んでいる。
「タイミングが来た時だけバットを振る」という投資手法で知られるバフェット氏の債券投資家への転向は、米国株のバブル崩壊への備えなのだろうか?
●思い出されるITバブル崩壊時
1990年後半、ITバブル(ドットコムバブル)と呼ばれた上昇相場の時、バフェット氏は自らの能力の輪の外にあるということで、一切投資をしなかった。インデックスの上昇率を下回り、世間では「バフェット流投資は終わった」とも囁かれていた。しかしその後2000年代初頭のITバブル崩壊で、バフェット氏の投資手法の正しさが証明された。
2024年に半導体大手インテルがダウの構成銘柄から除外されたが、インテルがダウ構成銘柄に採用されたのは1999年で、翌年インテルが業績不振となり、インテルがきっかけでITバブルが崩壊した。
●日本株はどうなる?
米国債は利下げしたと言っても金利は4%台で、まだ魅力的な安全資産である。現状の米国株は上がり過ぎているという認識はバフェット氏以外にもあり、これからも債券投資よりも安定した利益が得られるという確信が無いのかもしれない。
ただバフェット氏は、2024年に入ってからすでに現金保有を増やしており、9月末には過去最高を更新している。その現金の約9割はいつでも換金できる短期債である。
単純に株での利回りと債券利回りを天秤にかけて、債券投資を選んだという見方もある。
日本株の方は利上げの余地があるとはいえ、米国債との利回りにはまだまだ差があり、株価も米国株のような割高ではない。
当然、米国株のバブル崩壊となれば、日本株の影響も避けられず、バフェット氏も商社株を手放すことも考えられる。バフェット氏の日本株への投資が注目される。