レオクラン(7681)。上場5年目が過ぎた。現状は四季報の業績欄の見出しを借用すれば【復調】。病院の新設・改装・統合などに対し、医療用器機・設備の提案(ソリューション)営業を展開している。
実質上場初年度の2020年9月期は「コロナ禍」の影響をもろに受け(病院の手術数減少/入院・外来患者数落ち込み)た。その後21年9月期/22年9月期は「19.8%増収、181.9%営業増益/13.0%増収増益」と持ち直したが、23年9月期・24年9月期はビジネス上で不可避な壁への直面を余儀なくされた。前期は期中の下方修正を挟み「25.9%の減収、59.5%減益」。
第3四半期時点でレオクランでは、手の下しようがない忸怩たる思いをこう発信した。
「物価高騰がある。それ以上に増え続ける医療費負担に対し、医療費の制度改革(診療・介護報酬改定)が進められている。医師の働き方改革も加わり、病院経営が厳しい状況下に置かれている」。
それを裏付けるように第3四半期の主軸:ソリューション事業は、前年同期比6.4%の減収/38.4%の営業減益。が今期は「13.6%増収(225億円)、68.4%営業増益(3億円)」計画。推移を見守りたいところだが・・・
がレオクランの先々には、光明も見ては取れる。遠隔画像診断サービス事業。「牛歩の歩み」とする声も聞かれるが、前期実績は「6.0%の増収、4.7%の営業増益」。今期も「堅調を見込んでいる」としている。レオクランでは「質の高い遠隔画像診断の実績や、放射線診断専門医の安定的確保と高いノウハウを武器に、導入医療機関及び取扱件数の増加を図り安定した経営基盤を維持している」とする。
またアナリストの間からは「医師不足の病院に、ロボット手術機の導入の推奨に注力している。手ごたえを感じているようだ」と、差別化戦略を評価する声も聞こえる。
同社の株とどう取り組むか。2019年10月2日の初値は、公開公募価格2700円に対し2920円、直後のIPO人気もあり5630円まで買われた。背景としては遠隔画像診断事業への期待が強かった。徐々に振るい落としの調整が進んだ。が記したように主力事業が抱える構造的問題が明らかになってくる中で、株価は居所を収益動向に沿い変えていった。
本稿作成中時価は800円台終盤。予想税引き後配当利回り1.6%弱。無借金。現預金約60億円を活かし、地域密着型の同業者をM&Aという方向も伝えられている。昨今の株価は上値1000円トビ台/下値800円台終盤のゾーン内の動き。下値拾いで好配当利回り享受姿勢が賢明か・・・