エコナビスタ(5585、東証グロース市場)。睡眠データ解析に強みを有する。解析技術を活かした睡眠センサーを開発、主に介護施設向け見守りシステムとして展開を図っている。
AIを搭載したスリープセンサーをベッドに搭載することで、想定外の「ベッドに不在」「体動」「長時間離床」事態が、登録済みの全介護スタッフに同時に伝えられる。「私、すぐむかえます」という行動を促すことが可能となる。ベッドで寝起きする人を見守り、介護スタッフの負担軽減(介護施設のDX化)に繋がる。
共同創業者で現社長の渡邊君人氏は、エコナビスタの立ち上げをこう語っている。
「当社の主要業務であるライフリズムナビは、高齢者見守りSaaSシステムの代表的なサービスとして成長してきた。私はもともとエンジニア。学生時代からアルツハイマーを測定ソフトウェアやインスタントメッセンジャー(コンピューターネットワークを通じてリアルタイムコミュニケーションを実現する)で起業するなど、エンジニア発信のビジネスを行ってきた。
エコナビスタとの関りはそうした中で、高齢化先進国と呼ばれる日本が他国に勝るプロダクトを提供するとすれば、エイジテック=介護だろう。みんなが分かっているけど、未だかつて成功例が出ていない。難易度が高いからこそ、私の経営経験をエコナビスタに投資してみようと思った」。
2008年創業。23年9月上場。公開価格1300円に対し初値3300円と、大きな期待を背負っての上場となった。公開直前の22年10月期の「67.0%増収、130.2%営業増益」に対し直後の23年10月期は「21.5%増収、27.1%営業増益」、前10月期の「24.4%増収、21.8%営業増益」に続き今期は「6.0%増収(14億2300万円)、7.2%営業増益(5億300万円)、5円配開始」計画。
そんなエコナビスタの株価が、1月16日の終り値(1358円)に対し17日には1496円に急伸した。16日に配信された『高齢者見守りシステム「ライフリズムナビ+Dr.」と高品質な音声コミュニケーションツール「BONX WORK」が連携』と題するリリースが引き金となった。
BONX WORKは、BONXが展開する現場コミュニケーションのワンストップソリューション。 「連携で、より迅速に鮮明に介護スタッフがアラートを共有することができる」と株価が、エコナビスタの業務浸透・拡幅を促すと受け止めた結果だった。
エコナビスタの動向を株式市場も注目している証し、と言えよう。注目に値する企業の登壇である。