“背に腹を変えられぬ”自治体 プロ野球春季キャンプ延期に苦情殺到 「1週間遅れでも死活問題」無視できない経済効果

夕刊フジ / 2021年1月13日 17時10分

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昨年の西武キャンプは松坂にサインを求める大行列ができた(夕刊フジ)

 本当に2月1日にキャンプインできるのか。プロ野球の臨時12球団代表者会議が12日、オンラインで開かれ、新型コロナウイルス第3波の拡大が止まらない中での春季キャンプ実施について協議が行われた。

 1軍5球団がキャンプを張る宮崎県では7日に独自の緊急事態宣言を発令。厳しさを増す情勢下、この日の会議ではキャンプ日程の延期、もしくは中止についての議論が交わされるはずだった。

 だが、日本野球機構(NPB)の井原敦事務局長は「現時点では2月1日のキャンプインで準備を進める」との説明に終始した。

 実は、会議前日の11日夜に、大きく流れが変わる出来事があった。共同通信が「1週間程度のキャンプ入り延期の可能性」を報じ、各社が後追いすると、日程通りの実施を望む自治体サイドから苦情が殺到。「延期や中止の議論を一時棚上げせざるを得なかった。昨年12月ごろから現地入りして関係自治体と交渉する球団もあったが、延期の可能性までは根回しができていなかった」と球界関係者は明かす。

 昨春のキャンプで、宮崎県と沖縄県にもたらされた経済効果は、それぞれ約120億円を超える。1週間の延期でも死活問題だ。

 巨人、ソフトバンク、オリックスの3球団が訪れる宮崎市の担当者は「2月1日キャンプインの日程で受け入れる準備をしています。延期などの話は出ていない」。巨人2次キャンプ地の沖縄県那覇市も「2月16日の開始で変更はない」と言い切る。

 宮崎市では「観客の受け入れは感染拡大状況をみつつ、球団側との話し合いで決めたい」と含みを持たせる一方、那覇市では「決定ではないが、有観客で考えている。平日は3000人、休日は5000人がメド」と受け入れに積極的な印象だ。

 「仮にキャンプ開始を延期すれば、オープン戦の日程はすでに発表されており、宮崎や沖縄でのキャンプ期間は短縮になる。キャンプ地を訪れるファンや各球団が現地に落とすお金は大きい。2月の収入を当てこんで経営が成り立っている会社もある」と前出の関係者は裏事情を説明する。

 一方で、都市圏に比べて医療資源の乏しい宮崎や沖縄でも感染は拡大しており、地元関係者は「キャンプの中止や短縮は地元経済へのダメージが大きい。去年と比べても経済効果が半減することは覚悟しているが、ゼロになるよりはいい」と背に腹を変えられぬ切実さを訴える。

 期間だけでも通常通りを望む自治体側だが、NPB側の見解はあくまで「現時点では」という注釈付き。球界関係者は「来週にも延期についての話し合いがもたれる可能性は高い」とみる。キャンプイン直前までせめぎあいは続きそうだ。(片岡将)

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