【トップ直撃】変化を愉しみ、文化を創る 柔軟に挑み続ける上野風月堂の8代目、大住佑介社長

夕刊フジ / 2018年5月17日 16時57分

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大住佑介社長(夕刊フジ)

★上野●(=風のかんむりの中が百。以下「風」)月堂・大住佑介社長(37)

 1747年、初代が大阪から江戸へ下り開いた菓子商「大坂屋」が祖。城下町・京橋南伝馬町(現・東京都中央区)に開業した店の味は評判で元老中・松平定信公の耳に届く。公からたまわった「風月堂」が屋号の菓子店はその後、のれんわけなどで複数誕生していくが、創業家の歴史を脈々と継承するのは上野風月堂だけだ。創業271年目の今、若き8代目社長の経営理念は「変化を愉しみ文化を創る」。何を受け継ぎ何を進化させるのか。(冨安京子)

 ■271年前の創業精神を継承

 --老中、水野忠邦とも由縁があるとか

 「初代の娘が、水野忠邦公の生母です。大坂屋時代、初代大住喜右衛門の娘・恂(じゅん)は、唐津藩主・水野忠光の側室となり、後に天保の改革を推進した老中、水野忠邦を産みます。忠邦が家督を継いだ後、恂は当時の慣習に従い宿下がりとなり、2代目喜右衛門を婿として迎え、大坂屋をもり立てたそうです」

 --大坂屋のお菓子の評判は上々だった

 「2代目喜右衛門は、評判を耳にした松平定信公から、中国の詩人・蘇東坡(そとうば)の『赤壁(せきへき)ノ賦(ふ)』の一節『風清ク月白シ』から“風月堂清白”の5文字を賜ります。“風月”は、松平定信公の雅号でもあったそうで、その縁で現在の屋号『風月堂』を掲げるようになりました」

 --271年前の創業精神。どう受け継ぎ、今後の展開は

 「『変化を愉しみ、文化を創る』という経営理念を新たに策定しました。ダーウィンの進化論ではないですが、環境に対応するのは生き残り策の1つ。変わり続ける時代の変化を恐れることなく、むしろ愉しみ、新たな商品やサービスを通して新しい文化を創りあげていきたい。挑戦心や柔軟性のある企業でありたいですね」

 --本店のリニューアルではその理念を体現された、と

 「ええ。お客さまは一体、何を求めていらっしゃるのか、それに応える上野風月堂にしか提供できない商品とは何か、を徹底的に考えました。その結果、弊社の代表商品であるゴーフルの新たな提案として、生ゴーフルのような新感覚の『ゴーフレーシュ』と、江戸時代から販売している東京カステラのミニサイズを店頭で焼きあげて提供する『焼きたて東京カステラ』を、ライブ感のあるオープンキッチンで作り上げています」

 ■季節感ある商品

 「5月なら抹茶、その後は夏らしい商品など季節感のある新商品をお届けしていきたいですね。進物としても利用できる、上野動物園のパンダのシャンシャン(香香)公開を記念した商品『パンダプティゴーフル』など、上野らしい商品も引き続き提供していきます」

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