ボルトン氏“暴露本”炸裂! 「日韓外交格差」鮮明、南北「終戦宣言」阻止、トランプ氏再選に逆風か

夕刊フジ / 2020年6月26日 17時11分

 話題のボルトン前米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の回顧録が23日出版された。著書には安倍晋三首相の名前が150回以上登場、トランプ米大統領と緊密な関係を築き、米朝首脳会談でも日本人拉致問題が言及されたと明かされた。対照的に韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領に関しては徹頭徹尾批判的で、「日韓外交格差」が鮮明になった。

 著書『それが起きた部屋』でボルトン氏は、「世界のリーダーでトランプ大統領と最も個人的な関係を築いているのは安倍首相だ」とし、両者は「ゴルフ仲間であり仕事仲間だ」と表現した。

 トランプ氏は安倍氏の父親の晋太郎氏が第二次世界大戦中に神風特攻隊に志願したことに言及するのを好み「日本人や、特に安倍氏がどれほどタフかを示そうとした」と振り返った。

 米朝首脳会談では、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の非核化意思を疑う安倍首相や谷内正太郎国家安全保障局長(当時)が北朝鮮ペースに引き込まれないよう米側に働き掛け、日本人拉致問題の提起も求めた。

 実現はしなかったが、米側は2018年6月のシンガポールの合意文書で拉致問題に言及することを北朝鮮側に要求。トランプ氏は決裂した19年2月のハノイ会談でも拉致問題を取り上げた。

 正恩氏は、シンガポールでの初会談では制裁解除よりも体制保証や朝鮮戦争の終戦宣言を優先していたが、ハノイでは一転、制裁解除だけを要求。終戦宣言も韓国の希望にすぎず、必要ないとの立場に転じたという。

 ボルトン氏は「日韓の見方は180度逆だった」として、正恩氏の非核化の意思を吹聴した文政権を批判した。

 昨年6月の板門店(パンムンジョム)会談では、北朝鮮が嫌がったにもかかわらず、文氏が強引に現場入りしたと主張した。韓国政府は回顧録について「事実を大きく歪曲(わいきょく)している」と反発した。

 超大国の指導者としてのトランプ氏の資質を疑う記述も多い。今年6月、中国の習近平主席に配慮して天安門事件に関する声明発表をやめさせた。ロシアのプーチン大統領についてボルトン氏は「トランプ氏を簡単に手玉に取ることができる」と評した。

 ボルトン氏は昨年7月の訪日時に、トランプ氏が在日米軍駐留経費の日本側負担として現在の4倍以上に当たる年間約80億ドル(約8550億円)を要求していると伝えたとも明かした。日本政府は否定している。

 米韓軍事演習を中止したり、北大西洋条約機構(NATO)脱退を示唆するなど気まぐれな決定を繰り返したという。

 米国政治に詳しい福井県立大学教授の島田洋一氏は、ボルトン氏の意図を「トランプ氏が対中国、対北朝鮮政策に宥和的にならないようにクギを刺すものではないか」とみる。米大統領選への影響については「ボルトン氏は共和党内でも『強硬』『危険人物』という認識を持たれており、トランプ氏が穏健だという印象になるかもしれない」との見方を示した。

 韓国への厳しい評価に関しては「2007年に出した回顧録でも金大中(キム・デジュン)元大統領の太陽政策を批判している。韓国は全く学ばないという感覚があるのだろう」と指摘した。

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