【春なのにつらい睡眠障害を克服する10カ条】夜は眠れるのに日中に強い眠気「ナルコレプシー」 5~15分程度の居眠りで夢を見るのが特徴

夕刊フジ / 2018年4月17日 17時1分

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突然、耐え難い眠気に襲われる睡眠発作が特徴だ(夕刊フジ)

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 夜の睡眠はとれているのに、日中に強い眠気が生じ居眠りをしてしまう「過眠症」。その代表格が通称「居眠り病」と呼ばれる「ナルコレプシー」だ。国内の有病率は600人に1人程度とされ、初発は10代前半がピーク。しかし、学生時代は単なる寝不足だと思っていて、社会人になって仕事に支障が出て受診するケースが多い。

 ナルコレプシーで起こる居眠りの特徴を、杏林大学医学部付属病院・精神神経科の中島亨准教授はこう話す。

 「時と場所を選ばず突然、耐え難い眠気に襲われる『睡眠発作』が数時間おきに出現し、居眠りしてしまう。眠っている時間は5~15分程度ですが、必ずその間は夢を見るのが特徴で、目が覚めたあとは眠気が消えてスッキリします」

 日中に起こるもう1つ大きな特徴は「情動脱力発作」。大笑いしたり、怒ったり、感情が高ぶったときに突然、首や膝の力が抜け、ロレツが回らなくなる。意識はハッキリしているが、全身の力が抜けて倒れ込むこともあるという。

 また、眠気が非常に強いときに「自動症」という症状が現れることもある。いつもと変わらない動作や行動をしている最中に、途中の記憶がないなど、無意識に体が自動的に動いている状態だ。

 「健康な人が睡眠に入ると、脳が眠るノンレム睡眠から始まり、そのあと体が眠って脳が起きているレム睡眠に移り、それを交互に繰り返します。ところがナルコレプシーの睡眠は、いきなりレム睡眠から始まるのです。だから日中の居眠り中に夢を見る。夜の睡眠も寝入りばなに『睡眠麻痺(まひ)』や『入眠時幻覚』の症状が現れます」

 睡眠麻痺は、いわゆる「金縛り」で恐怖を伴うことが多い。入眠時幻覚は、隣に人の気配や体の上に人がのしかかっているような感じがする。どちらの症状も、夢を見るレム睡眠が寝入りばなに現れるため起こる。

 ナルコレプシーは、睡眠と覚醒の維持・制御に重要な働きをしている神経伝達物質のオレキシンが脳内で作られなくなって起こると考えられているが、詳しい原因は分かっていない。そのため根治法はなく、治療ではレム睡眠を減らす「三環系抗うつ薬」と覚醒作用のある「中枢神経刺激薬」が使われている。

 「軽症のナルコレプシーと軽症の睡眠時無呼吸が併発していると、日中の眠気は非常に強烈です。その場合、睡眠時無呼吸の治療だけで、ナルコレプシーが見逃されていることがあります」

 睡眠障害の疑いは、必ず専門医のもとで精密検査を受けよう。(新井貴)

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