【元巨人 クロマティが斬る】野茂英雄のチャレンジ精神に頭が下がる…

夕刊フジ / 2019年1月12日 17時0分

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巨人時代のウォーレン・クロマティ氏(夕刊フジ)

★(17)

 私がこの目で見た日本人投手のトップ10は誰か? その問いには真っ先に、野茂英雄を挙げたい。彼はメジャーリーグに行ってからさらにレベルを上げた。投手有利のドジャースタジアムに助けられたこともあるが、そのチャレンジ精神には頭が下がる。

 マウンド上の存在感がすごかった。しかも、何度も何度もカムバックに成功している。

 1998年6月にドジャースを退団したとき、多くの人々が「野茂は終わった」と判断した。ところが、ブルワーズ、タイガースで三振を奪う投球を取り戻し、レッドソックスに所属した2001年には、自身2度目のノーヒットノーランを達成し、年間220奪三振でメジャーで2度目の最多奪三振のタイトルを獲得した。この後ドジャースに戻り、エースの働きを見せた。

 ナンバー2は大洋ホエールズ(現横浜DeNAベイスターズ)で活躍した遠藤一彦。彼のフォークボールは誰も打てなかった。通算276試合に先発し、完投が実に109回。最多勝2回、沢村賞1回。誰も遠藤と対戦したがらなかった。

 ナンバー3は広島の左腕、大野豊。150キロ近い速球にパームボール、真っスラ(ストレートとスライダーの中間)、スラーブ(スライダーとカーブの中間)、シュート、ドロップなど『七色の変化球』を駆使し88年に沢村賞を受賞した。

 ナンバー4は江川卓。いいときはトム・シーバー(メジャー通算311勝)に匹敵し、メジャーでもエースを張れる力があった。

 ナンバー5にはダルビッシュ有を推したい。彼は本当にいいボールを投げていた。レンジャース入り当初はベストのピッチングを見せ、あと1アウトで完全試合というシーンもあった。

 だが、メジャーに来たときにすでに肘を痛めていた。日本時代の投げ過ぎがたたったもので、何度も故障者リスト入りを繰り返した後、2015年3月にトミー・ジョン手術に踏み切った。

 また、日本人投手がメジャーの強打者を相手にするときには、一瞬たりとも集中力を切ってはならない。はっきり言って、ダルビッシュはいまだにメジャーレベルではどういうピッチングをすべきなのかを分かっていない気がする。

 ドジャースで出場した17年のワールドシリーズでは大炎上。昨年はカブスと6年1億2600万ドル(約142億円)の大型契約を結んだが、8試合に登板し1勝3敗、防御率4・95。不完全燃焼のまま、またも右肘を故障してしまった。

 カブスのダルビッシュ獲りは失敗だったという人がいるが、私にはまだその判断がつかない。私の感想は「ダルビッシュはナイスガイ」である。スタンドプレーに走らない。彼は父がイラン人で、私同様、日本社会で外国人であることの意味を知っている。19年の復活を祈っている。(構成 ロバート・ホワイティング)

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